日本でのフーコーの振り子
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/24 16:19 UTC 版)
「フーコーの振り子」の記事における「日本でのフーコーの振り子」の解説
「談天」は、漢籍本「譚天」に訓点を施した本で、西洋天文学を紹介したものである。原著者は、候失勒(ジョン・ハーシェルのこと)で1851年に刊行された「Outlines of Astronomy(天文学概要)」を、英国人の偉烈亜力(Alexander Wylie)が口語訳し、清国人の李善蘭が漢訳して、1859年に出版された。これに福田理軒が訓点を施し、上中下の3冊が1861年(文久元年)に刊行された。「談天」の二篇には、地球の自転に関する説明があり、その中でフーコーの振り子の実験の記述がある。 1852年(嘉永5年)から1866年(慶応2年)の間に、佐賀藩鍋島家が所蔵していた洋書の管理簿である「洋書目録」がある。このなかに、Daniel Jan Steyn Parvéの講演録「De omwenteling der aarde om hare as, voornamelijk in verband met de slingerproeven van Foucault(フーコーの振り子実験に関連して地球の自転を論ず)」が存在する。これは1857年頃に輸入された蘭書で現在「武雄鍋島文書」内に保存されている。 「東洋学芸雑誌」第25号(1883年10月発行)に掲載された菊池大麓が著した「地動說ノ証據」の中で、地球の自転に関する解説がある。この解説では、地球の自転を示す証拠としてフーコーの振り子とジャイロスコープが説明されている。またこの解説には、東京大学でフーコーの振り子の実験を行ったことについて簡単な記述がある。このとき使用された振り子は、弦が長さ16から17尺(約4.8から約5.2m)の銅線、錘の重さが11貫目(約41kg)、錘の直径が7寸(約21cm)であった。 1932年の天文学術誌「天界」に広島文理科大学の中村饒がフーコーの振り子の実験方法の改良について記事を投稿した。中村は、振り子の錘に豆電球を取り付け、これを発光させながら振り子を振動させ、下面から写真機を長時間露光することで振動面の回転を記録するというものであった。 1934年4月21日に東京科学博物館上野新館(現:国立科学博物館日本館)に設置された。常設展示としては日本初である。
※この「日本でのフーコーの振り子」の解説は、「フーコーの振り子」の解説の一部です。
「日本でのフーコーの振り子」を含む「フーコーの振り子」の記事については、「フーコーの振り子」の概要を参照ください。
- 日本でのフーコーの振り子のページへのリンク