福岡市周辺
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2017/11/30 08:44 UTC 版)
1994年(平成6年)4月における福岡市内のダム貯水率はほぼ100パーセントであったが、梅雨時期における降雨量が平年の半分程度にとどまり、ダムの貯水量が下がり続けた。7月1日に梅雨が明けると連日猛暑が続き、ダムの貯水量は急激に減少し始めた。このため、福岡県と建設省九州地方建設局は7月6日に渇水対策本部を設置し、節水の呼びかけなどの対策が始められた。 7月9日には筑後川からの取水制限が始められ、7月中旬までに福岡県内の多くの自治体で渇水対策本部が設置された。7月13日には福岡県内のダム貯水率が60パーセントを切り、7月14日には福岡管区気象台が九州北部に「少雨と高温に関する情報第一号」を出して水不足に対する警戒を呼びかけた。7月20日には福岡県内のダム貯水率が50パーセントを割り込み、7月21日には太宰府市で夜間断水が始まった。7月25日夜、台風7号による雨が降ったものの状況は改善されず、7月27日には大野城市、8月4日には福岡市でも夜間断水が開始された。 水不足は8月前半に小康状態となったものの、8月後半からさらに悪化し、8月20日には福岡県内のダム貯水率が25パーセント以下となった。8月22日には筑紫野市でも夜間断水が始まった。9月2日には松原ダムと下筌ダムの発電用水の一部が緊急放流されている。9月27日には寺内ダムの貯水率が0パーセントとなり、デッドウォーター(取水口から下に溜まった水)の利用が始められた。9月に入って雨が降るようになったものの、福岡市内のダム貯水率は10月に入っても30パーセント程度であったため断水が長期化した。12月28日から翌年1月4日までの年末年始期間は特例的に断水が解除されている。 1995年(平成7年)3月3日には福岡県内のダム貯水率が15.2パーセントと最低値となるが、4月以降はまとまった雨が降るようになり、5月17日には太宰府市で断水が解除されている。5月下旬になると福岡市内のダム貯水率が68パーセントまで回復したため、6月1日に福岡市の断水が解除された。福岡市の断水は昭和53-54年の渇水を上回る295日間に及んだが、給水時間内の供給は確保されており市水道局への苦情は前回の渇水時の5分の1程度にとどまった。
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