神智学と思念形態
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/09/16 21:18 UTC 版)
20世紀の神智学者たちは、トゥルクやトゥルパなど、チベット仏教における応身の概念を神智学的に解釈し、「タルパ」(英: tulpa)として神智学に取り入れ、「思念形態」(しねんけいたい、英: thoughtform、想念形体や思念体とも呼ばれる)という概念と同一視した。思念形態は、19世紀末から20世紀初頭にかけて、神智学者のアニー・ベサントとチャールズ・W・レッドビーターが提唱した神智学の概念である。アニー・ベサントは、著書『Thought-Forms(英語版)』(1901年)の中で、創造者の形をしている形態、物や人に似た形をしており、自然霊や死者によって魂を吹き込まれる可能性のある形態、アストラル界やメンタル界に由来する、感情などの生得的性質を表す形態の3つに思念形態を分類している。タルパについて書かれた最古の文献は、神智学者のアレクサンドラ・デビッドニール(英語版)の著書『チベットの神秘家と呪術師』(1929年)であり、思念形態という用語が使われた最初期の事例は、ウォルター・エヴァンズ=ウェンツ(英語版)が翻訳した『チベット死者の書』(1927年)にも見られる。ジョン・レイノルズは、ガラップ・ドルジェ(英語版)(妙楽金剛)の伝記の英訳に付した注釈の中で、タルパは「発現、顕現」であると定義した。この概念は、西洋魔術の実践でも活用された[要ページ番号]。 オカルティストのウィリアム・ウォーカー・アトキンソン(英語版)は、著書『Human Aura』(1912年)の中で、思念形態は人々の思考や感情から生成され、人々を取り囲むオーラから発せられる単純なエーテルのような物体であると説明した。彼はさらに、著書『Clairvoyance and Occult Powers』(1916年)の中で、秘教の経験豊富な修行者が、オーラからアストラル投射として機能する思念形態を作り出す方法を詳説した。その思念形態は、それを投射している人のように見えたり見えなかったりするか、「覚醒時のアストラル感覚」を持つ人だけが見れる幻影であるとされる。
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