アレクサンドラ・デビッドニール
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「タルパ」の記事における「アレクサンドラ・デビッドニール」の解説
神智学者のアレクサンドラ・デビッドニール(英語版)は、20世紀のチベットで実際にそれらの神秘主義的実践を見たと主張した。彼女は、著書『チベットの神秘家と呪術師』(1929年)の中で、タルパは「強力な凝念による魔術的形成物」であると説明した。「悟りを得た菩薩は、十種の神変不可思議を生み出す能力がある。しかし、魔術的形成物を生む力、トゥルク、あるいはそれほど長く持続せず具現化の程度が低いタルパ、そういったものは(菩薩のような)神秘的な高位の存在だけのものではない。どんな人間、神霊(デーヴァ)、あるいは鬼類でも、それを持っているということはあり得ることだ。その違いはただ力の度合いによるものであって、集中力と心そのものの質に左右されるのだ」と彼女は語っている:331。また、タルパが自分自身の心を持つようになる能力について次のように述べた。「ひとたびタルパが現実存在として振る舞うのに十分な生命力を与えられると、創造者の支配から逸脱する傾向にある。チベットのオカルティスト(行者)の言うには、身体が完成して親から離れて生きることができるようになった子どもが母胎から出ていくように、これはほとんど自動的に起こるものである:283」。彼女は愉快なフライアー・タック(英語版)(ロビン・フッドの仲間の陽気な修道士)のような僧侶のイメージでタルパを創ったが、このような現象が起きたためラマに頼み込んで消滅させたということがあった。彼女は、自分が作った思念形態を他者も見ることができるかもしれないと訴えたが、後に自分の体験が錯覚であった可能性に言及し、「私は自分自身の幻を作り上げてしまっていたのかもしれない」と語った:176。
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