看護師ー患者の境界
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2019/09/12 00:56 UTC 版)
「職業的な境界線」の記事における「看護師ー患者の境界」の解説
詳細は「看護師・患者の関係性」を参照 看護師・患者の関係性はあらゆる臨床現場において、実践看護の基礎となるものである。しかしながら、日本の看護職においては、まだまだ意識が低く、研究や倫理、教育面で遅れている分野である。 職業的な境界を越えて、看護師が患者と恋愛関係になるなど、個人的な関係に及ぶことは、患者に対し害を及ぼし、看護職の信頼性を損ねるなどの理由で、基本的な職業モラル違反となり、法的にも定められた不法行為の一つとなる。 患者との立場関係について 「Professional Boundaries and the Nurse-Client Relationship: Keeping it Safe and Therapeutic - Guidelines for Registered Nurses」というガイドラインでは以下のように説明している。 「患者」対「看護師」という時点で不公平な力関係が生じ、患者は看護師に対し脆弱で言いなりにされるがままの弱い立場に置かれる。看護師がその職業的立場を自覚せずに軽視すると、患者は潜在的虐待と搾取の対象となる。その不均衡は、患者は看護師が提供するサービスに依存し、看護師の専門知識と医療機関における権限と、患者個人の秘匿情報に触れる立場、そして患者の決断を左右させうる立場などから来る。また、看護という仕事の特性上、患者に対して密の肉体的、精神的、感情的な親密さという雰囲気を醸成するが、これは同時に患者の脆弱性を増長させてしまう。この潜在的な権力の乱用につながる力関係の不均衡と職業的立場を認識し、患者を萎縮させてしまうように感じさせたり、依存させるようなこと、または弱い立場に付け入るようなことにならないように注意するのは看護師の責任である。
※この「看護師ー患者の境界」の解説は、「職業的な境界線」の解説の一部です。
「看護師ー患者の境界」を含む「職業的な境界線」の記事については、「職業的な境界線」の概要を参照ください。
- 看護師ー患者の境界のページへのリンク