目的と利用
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/06 01:45 UTC 版)
剥製標本にされる動物は、主として展示用の標本とされる場合が多い。基本的には生きた状態の姿を再現するものである。また、博物館の展示や学校の理科室の標本なども剥製であることが多い。全身を剥製とする場合もあるが、頭部のみなど、部分だけの剥製もある。 観賞用の剥製も数多い。ゲームとしての狩猟の場合、獲物を剥製にする例があり、トロフィーと呼ばれた。シカの頭部などは装飾用に剥製にされ壁に掛けて飾った。日本では、ウミガメや猛禽類の剥製も古くから貴重視され、装飾用に作られた。猛禽類は床の間に飾られたりしているのが見かけられる。剥製は埃や虫害を避けるためにガラスケースやアクリルケースに入れることが推奨されている。この場合も、生きていたときの様子を再現するのが普通であるが、やや派手なポーズをつけられる傾向がある。なお、日本においては、タヌキはイメージから、立位で手にとっくりや大福帳を持たされたり、服を着せられたりすることが多い。 上記のような利用目的とは別に、特に生きていたときに名をなした動物を剥製にして保存する場合もある。日本では忠犬ハチ公やタロ・ジロが著名な例として挙げられる。 また、西洋では偉大な成績や功績を残した競走馬や種牡馬の剥製が作られることも多く、日本国内でも北海道浦河町馬事資料館に、1960年代の名種牡馬ヒンドスタンが剥製にされ、心臓と共に展示されている。 剥製は見栄えはよいが、標本としてみた場合、骨格や内臓などの部分が保存されない難点がある。かつてはこのような部分が軽視されたこともあるが、現在ではそのような部分も重視されているといわれており[要出典]、それらは別個に標本として保存することが多い。同一個体から得られたものであれば、それらはまとめて単一の標本を構成する。
※この「目的と利用」の解説は、「剥製」の解説の一部です。
「目的と利用」を含む「剥製」の記事については、「剥製」の概要を参照ください。
- 目的と利用のページへのリンク