監督としての戦術・若手育成
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/13 07:49 UTC 版)
「原博実」の記事における「監督としての戦術・若手育成」の解説
指導者としての評価に際しては、特に若手の積極起用に注目して語られることが多い。自身も「監督をやっていて楽しいのは、(チームの勝利よりも)選手がみるみる伸びていき、顔を輝かせているのを見ているとき」「タイトルをとれれば楽しいけど、人がぐんぐん伸びていく時期を見るのがうれしい。それが一番好き」と語る。 浦和でも小野、山田を抜擢し、大きく成長させているが、小野は元々注目度の高い期待株であること、盛田剛平ら新人選手を重用してチームを低迷させたこともあったことから、原の評価を低く見る者もある。原の下でもプレーした浦和OB福田正博は「サテライト・ユースの指導経験しかなかった原にいきなりトップチーム、しかも浦和レッズという独特の雰囲気を持つチームの監督を任せるのは非常にプレッシャーのかかることだったのではないか」という趣旨のコメントを、雑誌に寄せた原稿で述べている。 その後に就任したFC東京でも若手登用の傾向は強く、石川、加地、茂庭照幸、今野泰幸を獲得してレギュラーに据え、日本代表に選出されるまでに成長させた。横浜F・マリノスで出場機会のなかった石川に対しては「(故障者が出ている)今なら使っちゃうよ」という口説き文句で移籍を決断させた。 選手として原と4年間(2002-2005)過ごした戸田は、原と選手との距離感・信頼関係の構築について「“試合に出てくるんじゃないか”と思わせるくらい選手と一緒の目線で戦っている」「顔色を伺ったってどうこうなる人じゃない」とコメント。原の下で5年間(2002-2005, 2007)コーチを務めた長澤徹は、原は選手の短所を包み隠さず指摘し、時に敗因として名指しするが、それでも選手からの信頼を損ねることはなかったという。選手と真摯に向き合うことができるコミュニケーションの天才だと評している。 4バックシステムを好み、『ニュースステーション』がJリーグ全クラブの監督に対して行った、3バックと4バックに関するアンケートに対し(このアンケートが行われた当時は3バックシステムを採用するクラブが多く、このようなテーマが議題となった)、回答の理由を「4バックが好きだから」とだけ説明した。原曰く、布陣を決める時にまず考えることは、選手個々の長所を出せるかどうかである。しかし、選手の個性・特徴を最大限発揮させることを理想としていることから、2007年には、不安定ながら新たなプレースタイルの模索を始めた石川と、石川には元来の能力を発揮してほしいと原点回帰を求める原との間で、微妙な溝が生じたこともあった。
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