皇室における「殯」
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/05/27 04:27 UTC 版)
皇室喪儀令第一章大喪儀第六條「大行天皇太皇太后皇太后皇后ノ柩ハ之ヲ殯宮ニ奉遷ス」とあり、附式第一編大喪儀に詳しく方式が記されている。 殯宮は「もがりのみや」という名で天皇の大喪の礼に、また「ひんきゅう」という名で皇后・皇太后・太皇太后の斂葬の儀までの間、皇居宮殿内に仮設される遺体安置所の名として使用されることになっており、戦後に於いては昭和天皇や貞明皇后、香淳皇后の崩御の際に設置されている。 死後13日目に遺体を収めた柩は御所の櫬殿(しんでん)から宮殿内の殯宮(ひんきゅう)に移御され、45日目を目処に行われる大喪の礼や斂葬の儀までの間に、通夜にあたる諸儀式「殯宮祗候(ひんきゅうしこう)」が行われる。 殯宮祗候殯宮移御の儀 殯宮日供の儀(毎日行われる) 殯宮移御後一日祭の儀 殯宮拝礼の儀 殯宮二十日の儀 殯宮三十日の儀 殯宮四十日の儀 斂葬前殯宮拝礼の儀 斂葬当日殯宮祭の儀 2016年(平成28年)8月8日、第125代天皇(現・上皇)による「象徴としてのお務めについての天皇陛下のおことば」で殯についての言及があった。 更にこれまでの皇室のしきたりとして,天皇の終焉に当たっては,重い殯の行事が連日ほぼ2ヶ月にわたって続き,その後喪儀に関連する行事が,1年間続きます。その様々な行事と,新時代に関わる諸行事が同時に進行することから,行事に関わる人々,とりわけ残される家族は,非常に厳しい状況下に置かれざるを得ません。 — 明仁、 これに先立つ2013年(平成25年)11月15日、天皇と皇后は宮内庁を通じ「自身の葬礼に火葬を希望する」旨を表明している。この場合、これまでよりも短期の殯宮祗候を斎行したのち、密葬にあたる葬送儀礼を経て火葬する。霊櫃(遺骨を納めた骨壷)を殯宮と同じ場所に設えた「奉安宮(ほうあんきゅう)」に安置し、本葬・斂葬の儀や国葬・大喪の礼を待つこととなる。
※この「皇室における「殯」」の解説は、「殯」の解説の一部です。
「皇室における「殯」」を含む「殯」の記事については、「殯」の概要を参照ください。
- 皇室における「殯」のページへのリンク