発電所仕様
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/02/26 14:08 UTC 版)
賤母発電所はダム水路式発電所であり、取水は山口発電所と共用の山口ダム(重力式コンクリートダム、堤高38.60メートル・頂長181.40メートル)から行う。このダムは1957年(昭和32年)湛水開始であり、1919年竣工の発電所よりも新しい。元来は水路式発電所であり、木曽川に高さ7.12メートル・幅104.91メートルの固定式取水堰を設けていた。取水量(最大使用水量)は43.97立方メートル毎秒。 ダムから発電所までの間は長さ3,128.7メートルの無圧導水路で繋がる。ダム完成前の導水路はこれよりも長く、延長4,794.29メートルであった。導水路から先は上部水槽(普通水槽)を経て4条の水圧鉄管で水を落とし、4組の水車発電機を稼働させて発電する。有効落差は1 - 3号機については46.36メートル、4号機については49.69メートルで、発電所出力は1万6,300キロワットとなっている。 水車発電機は初期設備の3組(1 - 3号機)と1922年(大正11年)増設分の1組(4号機)で規模が異なる。水車については、初期設備が横軸二輪単流渦巻フランシス水車、増設設備が立軸単輪単流渦巻フランシス水車を採用。4台とも東芝製であるが、1973年(昭和49年)3月の発電所改修にて交換されており、元はスウェーデンのボービング社 (Boving) 製および奥村電機製(増設分)であった。発電機容量は初期設備が5,250キロボルトアンペア、増設設備が3,000キロボルトアンペアであり、前者はアメリカ合衆国のゼネラル・エレクトリック (GE) 製、後者は奥村電機製。周波数は60ヘルツを採用する。 発電所建屋の広さは1,196.5平方メートル。鉄筋コンクリート構造2階建て部分と、増設時に増築された煉瓦造平屋建て部分からなる。
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