発射サイクル
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/05/21 20:02 UTC 版)
「M4 37mm機関砲」の記事における「発射サイクル」の解説
機関砲の最初の装填とコッキングは手動で達成される。操縦士が射撃回路を閉じるとソレノイド機構が働いてトリガーを動かし、撃針が弾薬を叩いて撃ち出す。機関砲はこの発射の反動利用で作動する。 発砲すると砲身と薬室とチューブエクステンダーが後退する。その後方の機関部内部のロックフレームは砲身の閉鎖機を下方へとスライドさせて開く。閉鎖機が開かれた後、砲身と薬室、チューブエクステンダーは停止する。薬室内部の空薬莢がエキストラクターに引かれて抜き出され、機関砲の下方へと排出される。ロックフレームは閉鎖機との結合を解いて、慣性で後方へと後退する。これら砲身などの反動は、油圧およびバネで作動する駐退復座装置が吸収する。さらに砲身と薬室、チューブエクステンダーは駐退復座装置のバネの推進力によって前進し、射撃位置に戻る。 ロックフレームには撃針内蔵の垂直鎖栓(閉鎖機)を上下に作動させることで薬室を閉鎖または開放する機能がある。閉鎖機の作動はロックフレーム前部、(機関砲側面図では一部が下方へ飛び出しているのが示される)オペレーティングロッド前端に設けられたT字状ピンを接続し、さらにオペレーティングロッドのガイドピンが左右側板の下部に張り出したカムに従動することで上下動へ変換される。M4機関砲の場合、弾薬筒はリンクベルトによって保持されており、機関砲の左方から入れられる。機関部内部を前後移動するロックフレームに伴い、給弾機構が砲弾をリンクベルトから抜き出し、薬室へと装填する。 ロックフレームは最後方まで後退、機関砲尾部のバックプレートのバッファープランジャーに当たって停止する。バックプレート機構は、裏板内部に2重のバネ構造が内蔵されている。バネ構造の直下にスライド様に可動する2個の三角形状の金属片が入れられ、この金属板に接続するバッファープランジャーが前方へと伸びる。この金属片を介し、バネで保持されたバッファープランジャーが水平に後退してきたロックフレームのエネルギーを垂直方向に吸収する。ロックフレームが後方に下がり、キャリアードグと噛み合った際のキャリアーピンにかかる衝撃が緩和される。給弾機構内部にはロックフレームを保持するキャリアードグとキャリアーキャッチャーが内蔵されており、後退してきたロックフレームを保持する。 それからロックフレームは駆動スプリングによって前方へと力を加えられる。駆動バネ機構はキャリア・ドグに噛み合ってロックフレームを保持する。これは装弾される弾薬によってキャリアーキャッチが旋回運動し、これによってキャリアーを解放するまでである。バネはそれからロックフレーム機構を前方に運び、弾薬を装填し、閉鎖機を押し上げる。もしトリガーが射撃位置で保持されていれば、機関砲は弾倉が空になるまで射撃を自動で繰り返す。
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