病的な例
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/18 14:46 UTC 版)
病的な例はしばしばいくらかの好ましくないかまたは珍奇な特性をもつ。その特性はある理論の中では有意義を成り立たせるように説明するのが難しい。そのような病的な振る舞いはしばしば新しい理論とより一般的な結果をもたらす新しい研究を促す。たとえば、これらのいくつかの重要な歴史的な例は次のようである: 古代ギリシアにおけるピタゴラス学派による無理数の発見;例えば単位正方形の対角線の長さとしての 2 {\displaystyle {\sqrt {2}}} 。 有理数の濃度は整数の濃度と等しい。 いくつかの代数体は一意分解環でないような整数環をもつ。例えば、体 Q ( − 5 ) {\displaystyle \mathbb {Q} ({\sqrt {-5}})} 。 フラクタルその他の非整数次元図形(ハウスドルフ次元を見よ)の発見。 ワイエルシュトラス関数:至る所連続だが至る所微分不能な実関数の例。 実解析および超函数論でのテスト関数:実数直線上で無限回微分可能であって、与えられた有限区間の外側はすべて 0 となる関数。この関数の一例はテスト関数、 φ ( t ) = { e − 1 / ( 1 − t 2 ) , − 1 < t < 1 , 0 , otherwise {\displaystyle \varphi (t)={\begin{cases}e^{-1/(1-t^{2})},&-1<t<1,\\0,&{\text{otherwise}}\end{cases}}} である。 カントール集合(⊂ [0, 1])は、測度 0だが非可算集合 ペアノ曲線:単位正方形を埋め尽くす連続曲線(より精確に、単位区間 [0, 1] から [0, 1] × [0, 1] への全射連続写像)という意味で空間充填曲線の一例。 ディリクレ関数(有理数の集合 Q の指示関数)は、有界だがリーマン可積分でない。 カントール関数は [0, 1] を [0, 1] の上へ写す単調連続関数だが、ほとんど至るところ微分係数は0である。 ペアノ算術の可算再帰的飽和モデルに対して「直観的に偽」な算術的言明を含む充足クラスを構成できる。 これらが発見された時点では、それらの各々は極めて病的と考えられた;今日では、各々は現代の数学の理論の中では消化済みである。
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