病理診療録の電子化
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/16 08:36 UTC 版)
病理診断科で用いられるシステムは施設ごとにさまざまである。病理診断科での診療録に相当する病理診断書・細胞診断(検査)書を電子的に保存する場合は、いわゆる電子カルテの三要件に準拠することになると考えられる。真正性の確保(作成の責任所在を明確にすること、過失・故意による虚偽入力等防止など)、見読性の確保、保存性の確保のすべてに準拠した電子保存システム構築のハードルは高い。 これまで用いていた報告書作製システムが電子カルテ要件を満たしているかどうか確認し、要件に合うようにシステム開発するか、印刷物を患者ごとにファイルし診療録として運用とするか、などの判断が必要となる。診療情報の電子化関連情報(通知、ガイドライン等)についてはMEDIS-DCのホームページを参照。また、日本医師会ホームページにあるORCAプロジェクトは参考になる。 病理学会が経験した数年前の混乱を考慮すると、しばらくは、病理専門医等の自筆サインのある紙報告書での運用、または紙報告書と電子化ファイル併用が万能・安全で安価かもしれない。保健所も監査しやすいだろう。コンピュータから出力された病理診断報告書に病理医の名前があっても、その病理医が入力したものかどうか(真正性)を証明することは容易ではない。見た目では本物かどうかは分からない。肉筆サインがあったときに真正性が証明される。肉筆サインは汎用性が高く、しかも安価である。
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