生産および運用
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2019/11/28 01:14 UTC 版)
「アキリーズ (駆逐戦車)」の記事における「生産および運用」の解説
イギリス軍は当初、ノルマンディー上陸作戦までに1,000両のM10をM10C仕様に改造する事を計画していたが、実際の17ポンド砲搭載の改造作業は1944年春頃に開始され、ノルマンディー上陸作戦までには100両程度が改造されたに留まった。その後、改装作業の速度が上がり、最終的に約1,100両のM10 IC / IIC が生産された。 M10C アキリーズはイギリス陸軍の対戦車連隊に配備されノルマンディー上陸作戦で実戦投入された後、生産数が増えるとカナダ軍やポーランド軍などイギリス連邦軍に配備され、終戦まで西部戦線やイタリア戦線で活躍した。オーヴァーロード作戦中の1944年7月に実施されたチャーンウッド作戦(英語版)においては、イギリス軍第62対戦車連隊のアキリーズがドイツ軍第12SS装甲連隊のパンターおよびIV号戦車 計13両を撃破し、損失は4両であった。 第二次世界大戦後は一部の車両がベルギー、オランダ、デンマーク、エジプト等に供給された。第二次中東戦争時にはエジプト軍がイスラエル軍との戦いでアキリーズを運用し、その一部はイスラエル軍よって鹵獲された。また、朝鮮戦争時にはカナダ軍が少数のアキリーズを実戦投入した。 現在、イギリスのボービントン戦車博物館、米国の第3騎兵連隊博物館(英語版)、ドイツのムンスター戦車博物館などの他、イスラエルのラトルン戦車博物館、国防軍歴史博物館にもアキリーズの実車が展示されている。第3騎兵連隊博物館の展示車両は中期型砲塔を持つ"M10 IC"仕様の車両である。イスラエルの博物館に展示されている車両はエジプト軍からの鹵獲品と見られ、フランス製のスモークディスチャージャーを装備するなど改修が施されている。また、ムンスター戦車博物館、デンマークのオールボー国防博物館(英語版)およびフュン軍事史博物館(英語版)の収蔵車両は、いずれも起動輪および履帯がグリズリー巡航戦車と同型のCanadian Dry Pin (CDP) と呼ばれる全鋼製、シングルピンの物に換装されている。 ボービントン博物館のM10 IIC 第3騎兵連隊博物館のM10 IC。中期型砲塔を持つ。 ラトルン博物館のM10 IIC。フランス製スモークディスチャージャー等の装備が追加されている。 ムンスター博物館のM10 IIC。起動輪および履帯が変更されている。 フュン軍事史博物館のM10 IIC。こちらも履帯と起動輪が換装されている。
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