現象と問題点
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/06 01:48 UTC 版)
共依存者には以下の特徴が見られる。 他人の面倒を見たがる(強迫的世話焼き) 自己の価値を低く見る 抑圧的である 強迫観念にとらわれやすい 相手をコントロールしたがる 現実を直視できない 何かに依存せずにはいられない コミュニケーション能力に乏しい 他人との境界があいまいである 信頼感を喪失している 怒りの感情が正常に働かない セックスが楽しめない 行動が両極端である 共依存の二人は、自己愛の未熟な人間が多いと言われたり、パーソナリティ障害であるケースが多いと言われているが、これはアルコール依存症やアダルトチルドレン、それにパーソナリティ障害の精神病理から導かれたところが多い。その理由として、共依存者も被共依存者も、他者の価値に依存する傾向が多いということが言われている。 例えば、アルコール依存症の家族では患者のアルコール依存を認めるような傾向が認められ、それが患者のアルコール飲酒をさらに深める(イネーブリング)。共依存者パートナーは、アルコール依存者が依存の直中にある時は精力的で強力であるが、患者がアルコールから回復すると逆に抑うつ状態に陥ったりする。 またアダルトチルドレンにおいては、両親が自分の評価のために子供を利用し、そのため子供は大人になっても両親からの自立に困難が生じるようになり、自分自身の力のみで自立ができないのである。また、パーソナリティ障害においては、そもそも親が子供に依存的であることが多い。アダルトチルドレンと同様、大人になると子供は他者に依存して、その他者に自分の要望を過度に期待するケースがみられ、それと同時に「これではいけない、これでは駄目だ」等、完璧主義が故に過度に自身を抑圧する状態に陥り、解決の糸口を見出すどころか、自ら墓穴に陥りやすいことも考えておかなければいけない。 共依存の問題点は、被共依存者が回復する機会を失うことだけでなく、共依存に巻き込まれた者がストレスを抱え込み、精神的な異常を訴えたり、さらには関係性に悩み、自殺する場合もある。よって、共依存を引き起こさないためには、医療関係者、専門家、援助者が、共依存を引き起こす者と接する場合には一定の距離を取り、個人的な関係にならないことが必要である。
※この「現象と問題点」の解説は、「共依存」の解説の一部です。
「現象と問題点」を含む「共依存」の記事については、「共依存」の概要を参照ください。
- 現象と問題点のページへのリンク