現在の祭儀
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/10 08:06 UTC 版)
神嘗祭に先立っては、興玉神にこれより先の祭儀の無事を祈る「興玉神祭」や、祭祀奉仕者が神の御心に適い奉仕する資格を有しているかを神に伺う御卜が行なわれる。この御卜とは、祭主以下奉仕者の職名と名が一人ずつ読み上げられ、その都度息を吸い込む口笛を吹き、次いで笏で琴板という木板を打つ祭儀で、この一連の流れが滞りなく進むと大御心に適ったということになり、逆に一連の流れの中でどこかに滞りが生じた場合、その者は祭祀に奉仕できない決まりとなっている。 神嘗祭ではまず御饌の供進が行われ、飯・餅と白酒・黒酒を主として、海魚12種、川魚2種、野鳥、水鳥、海草、野菜、果実、塩、水が奉られる。この神饌の内容は、「由貴大御饌」と呼ばれ、三節祭に限り供進される特別な神饌であり、大御饌に際しては、瑞垣の四方に神饌を祀る瑞垣神饌という神事も行われる。 由貴大御饌の翌日の正午には勅使も参向し幣帛を奉るが、神宮における幣帛は、金ではなく絹織物などの実物で、削った柳の木を編んだ柳箱に入れられて正殿内まで奉られる。なお、天皇は神嘗祭に当たって皇居において神宮を遥拝する。 両正宮以下主要な神社は下表の日程で斎行する。 神社 由貴夕大御饌 由貴朝大御饌 奉幣 御神楽 皇大神宮(内宮) 10月16日22時 10月17日2時 10月17日12時 10月17日18時 豊受大神宮(外宮) 10月15日22時 10月16日2時 10月16日12時 10月16日18時 荒祭宮 皇大神宮に続く 皇大神宮に続く 皇大神宮に続く 多賀宮 豊受大神宮に続く 豊受大神宮に続く 豊受大神宮に続く 月讀4宮・土宮・月夜見宮 10月18日22時 10月19日2時 10月19日10時 瀧原2宮・同所管社 10月22日22時 10月23日2時 10月23日10時 伊雑宮・同所管社・風日祈宮・倭姫宮・風宮 10月24日22時 10月25日2時 10月25日10時 滝祭神 皇大神宮に続く 皇大神宮に続く 10月19日3時 興玉神・宮比神・屋乃波比伎神・御稲御倉・由貴御倉 皇大神宮に続く 皇大神宮に続く 10月18日10時 御酒殿神・四至神(内宮・外宮とも) 両正宮に続く 両正宮に続く 朝熊神社2社・鏡宮神社 10月19日22時 10月20日2時 10月20日10時 草奈伎神社 その他の神社は以下の日程で斎行。 10月19日園相巡回:川原・園相・久具都比賣・小社・奈良波良神社 大間巡回:高河原・清野井庭・大間国生・小俣・志等美・大河内・打懸・度会国御・大津・上御井・下御井神社 10月20日鴨巡回:鴨下・田乃家・同御前・鴨・津布良・蚊野・同御前・朽羅神社 大国玉巡回:度会大国玉比売・伊我理・井中・山末・田上大水・同御前・河原淵・御食・志宝屋・河原・毛理・宇須乃野・県神社 10月21日湯田巡回:湯田・狭田国生・坂手国生・棒原・御船神社・牟弥乃神社 10月22日大土巡回:津長・新川・石井・大水・川相・熊淵・饗土橋姫・大山祇・子安・宇治山田・那自賣・葭原・大土御祖・宇治乃奴鬼・国津御祖・葦立弖神社 機殿巡回:神服織機殿・同末社・神麻続機殿神社・同末社 赤崎巡回:赤崎神社 10月23日堅田巡回:加努弥・御塩殿・堅田・江・神前・許母利・荒前・粟皇子神社
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