現代イスラームと女性
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/08/22 15:33 UTC 版)
「イスラームと女性」の記事における「現代イスラームと女性」の解説
現代のイスラーム社会でも、名誉殺人(ただし、イスラーム圏以外でも同様な慣習は見られる。「名誉の殺人#ヒンドゥー教における「名誉殺人」」等を参照)などの女性の人権を侵害する慣習が行われている。 一方でイスラームの教えやムスリムが多い国における制度、社会的慣習を女性差別を撤廃する方向に変えていこうという運動も盛んである。一夫多妻制の制限、家庭内暴力の禁止、女性から離婚することを容易にする法改正などが先進的あるいは世俗主義的な諸国を中心に進められている。トルコでは女性の社会進出も盛んであり、政府の最上層部にも女性が存在している。パキスタンなどのイスラーム国家でも、ベーナズィール・ブットーなどの女性首相が誕生している。 スンナ派の最高権威機関で、エジプトの首都カイロに所在するアズハルは2018年8月28日、女性に対するセクシャルハラスメントは、言葉によるものも含めてイスラム法上のハラーム(禁止行為)に当たるとの声明を出した。 ただしイスラム圏では、保守勢力が強く改革がなかなか進まない国や、法制度が改正されても社会の通念・習慣の変化が伴わない国も多い。たとえば、イスラームには夫婦間以外での性行為が許されていないため、複数の中東諸国には、レイプ被害を受けた女性と結婚すれば、加害者は刑事罰を受けないという法規定がある。モロッコ、レバノン、ヨルダンなどでは廃止されたが、処女でなくなった女性の結婚が難しい社会風潮は根強く、家族により加害男性との結婚を強いられたうえに、結婚後もドメスティック・バイオレンスを受ける女性が多い。
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