現代の取組
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/03 20:58 UTC 版)
丹後ちりめんの技術は、和装だけでなく洋服の生地やスカーフ、ネクタイ等の小物、インテリア等にも活用されている。組合は精錬のほかに、絹織物の欠点を補い付加価値を高める様々な加工を担い、素材の開発もすすめている。研究は、摩擦に強いハイパーシルク加工やポリエステル縮緬の開発など多様な分野に及び、京丹後市も、植物などを原料とし、地中で還元されるバイオフロント糸を使用する織物開発等に補助を行っている。2010年(平成22年)11月14日、アジア太平洋経済協力会議(APEC)で、出席した各国首脳の夫人らが着用したコシノヒロコ意匠のガウンドレスは、バイオフロント糸と絹糸に撚糸技術を施して製織した丹後ちりめんである。 現在、丹後ちりめん業界では、現代的なデザインで統一ブランドを作り、各織物業者のオリジナル製品を統一の規格で世界に発信するための商品開発を行っており、スカーフ製作については、2017年(平成29年)から年数回、パリで有名ブランドのデザインを手がけた実績あるプロデザイナーのマチルダ・ブレジョンの指導を受ける。ブレジョンは、丹後地域の織物業者を1軒ずつ訪れて各々の特徴を活かしたデザインや色使いや形状について助言を行い、スカーフの大きさを120センチメートルにするなど、パリの消費者に好まれる製品の開発を目指している。 パリでの丹後ブランドのスカーフの販売は、2018年(平成30年)初旬に開始された。 2020年(令和2年)現在、着物研究家のシーラ・クリフを丹後織物工業組合のアンバサダーに迎え、同年創業300年を迎えた丹後ちりめんを国内外に広める活動を行っている。その模様が、2020年(令和2年)10月、NHK総合テレビジョンの『世界はほしいモノにあふれてる』で「京都 KIMONOスペシャル」として放送された。
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