現代における雑穀の利用
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/10/04 05:01 UTC 版)
雑穀は、世界中の乾燥地及び半乾燥地における主要な食物資源である。西インドでは、その地域の主食である平らなパン(「ロティ」と呼ばれる)を作るために、何百年間もの間、よく雑穀の粉(グジャラート語とマラッタ語で「バジャン」)をジョワル(ソルガムをマラッタ語でジュワンと呼ぶ)と一緒に用いてきた。例えば蘭嶼のタオ族や東アフリカの様々な民族などいくつかの文化において雑穀は、ソルガムと共に伝統的に雑穀酒を醸造するのに重要な作物であった。 雑穀は、バルカン半島の国々においてボザという発酵性の飲み物を作るのに使われている。 雑穀粥は伝統的なロシア料理である。甘くして食されたり(調理過程の最後に牛乳と砂糖を加える)、塩味にして肉や野菜のシチューと共に食べられたりする。 セリアック病の患者は、その食生活において、朝食シリアルを含む様々な形態である種の穀物を雑穀利用で置き換えることがある。雑穀はソバ、コメ、キヌアの代替としてもレシピの中でしばしば用いられる。 日本ではかつて重要な主食穀物であったが、昭和期に米が増産されるとともに消費と栽培が廃れた。現代の日本では、家畜、家禽、ペット(ハムスター、小鳥など)の餌など飼料用としての利用が多いが、最近になり優れた栄養価をもち、また食物繊維も豊富なことから健康食品として見直されつつあり、五穀米や十穀米など食用として利用されつつある。需要が増えてきたが生産量は少ないため、米よりも高価格帯で取引されている。増加しつつある米や小麦に対する食物アレルギーの患者のための主食穀物としての需要も期待されている。
※この「現代における雑穀の利用」の解説は、「雑穀」の解説の一部です。
「現代における雑穀の利用」を含む「雑穀」の記事については、「雑穀」の概要を参照ください。
- 現代における雑穀の利用のページへのリンク