珂神編
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「少年陰陽師の登場人物」の記事における「珂神編」の解説
珂神比古(かがみひこ) 八岐大蛇(やまたのおろち)の力を借りてこの国の王となろうとする一族の長。本心では八岐大蛇や荒魂(あらみたま)に恐怖心を抱いている。年齢は昌浩の1歳上。 「珂神比古」は代々の長が継ぐ名で、彼自身の本名は「瑩祗比古(あつみひこ)」。その名前を真鉄が呼んでしまったために不完全になったと、真赭に思われていた。 川に流されていた昌浩と敵同士として再会し、心のうちをさらけ出す。荒魂を止めようとしたが、何者かに殺されたもゆらの亡骸に勾陣の筆架叉が刺さっていたことが引き金となり、「八岐大蛇荒魂の九番目の頭、珂神比古」へと変貌する。しかし、たゆらの中に入り込んでいたもゆらが比古の本当の名前を叫んだことにより正気を取り戻した。 真鉄が次の「珂神比古」に選ばれたことで、たゆらと共に生き残ることになった。 たゆら 灰黒の毛並みを持つ狼。双子の弟・もゆらとは違ってしっかりしている。もゆらが殺されたことにより変貌した珂神と、もゆらの死を何とも思わない母に不信感を抱き始め、魂となりたゆらの体の中に入り込んだもゆらと言葉を交わしたことにより、彰子と共に逃亡を図る。 比古と共に生き残った後、黒い毛並みは少し色味が薄れていた。 もゆら たゆらの双子の弟で、灰白の毛並みを持つ狼。甘えん坊な性格で、珂神に対して親友のように振舞うため、皆からしょっちゅう怒られている。彰子をさらうが仲が良くなる。何者かに襲われ命を落とし、魂だけはたゆらの体へと入り込んでいた。 自分を見つけた彰子を介してたゆらと言葉を交わし、たゆらと彰子に逃げるように促す。もゆら自身は、不明確ではあるが真鉄(魑魅がその姿を取っていた)に殺されたことはわかっていた。比古の正気を取り戻し、荒魂を止めようと真鉄と合流する。次の「珂神比古」に選ばれた真鉄と共にいることを選び、土砂の中へと消える。 真鉄(まがね) たゆら、もゆらと共に道反の聖域を襲い、呪物とされる八岐大蛇の鱗と風音の亡骸を奪った術師。離魂の術を用いて風音の亡骸に自分の魂を定着させたり、晴明が張った結界や術を簡単に破るほどの力を持っている。珂神が生まれるまでは、彼が次代の一族の長であるとされていたが、珂神が生まれたあとは、彼に付き従うようになった。 両親同士の付き合いが深く、珂神の母からは深い信頼を得ていて、珂神の本名を唯一知っていた。 比古が正気に戻ったことにより彼は次の「珂神比古」に選ばれるが、自分達が神ではなく妖としての八岐大蛇を祀らされていたことを知り、自らの命を持って八岐大蛇を根の国へ送り、比古とたゆらを生かすことを選ぶ。 真赭(ますほ) たゆらともゆらの母親で、赤い毛並みを持つ狼。自分にも他者にも厳しい性格。魑魅(すだま)を作る力を持っている。比古の両親に仕えていて比古の母とはとても仲がよく、ふたりの懐妊時期は一緒だった。忠誠心が強く、「王に従っていれば何も間違いはない」とまで断言できるほど強かった。 かなり冷酷で、もゆらのことも「死んだことでようやく役に立った」と冷酷な言葉を投げつける。覚醒前の珂神比古のことも「不完全なできそこない」と思っていた。実は十四年前に真赭は殺され、別な誰かが魑魅によって作ったものが体に入っていた。 道反大神(ちがえしのおおかみ) 道反の巫女の夫にして風音の父親、高淤の神の弟でもある。天津神であり黄泉の軍勢を阻む任を持つ。道反の巫女の力を媒介にして姿を見せるため、巫女が不在だった間は姿を見せることも声を伝えることも出来ず、沈黙せざるを得えなかった。人身を取る時の姿は二十代後半で、浅黒い肌と生成りの衣姿が特徴的。風音と相思相愛の六合に対しては、少々大人気ない態度を取ったりしている。 山の比古神(やまのひこがみ) 正確には出雲の地にいるたくさんの比古神のうちのひとり。本来は天津神とは関わりを持たない国津神であり、多くの比古神が不可侵を守り沈黙する中、道反大神の必死の願いを聞き届け、六合と風音の宿体を救い出す。2人の様子と六合の勾玉に道反大神の願いの真意を見出し、その力で勾玉の魂を宿体に戻す。 その後短編集において、借りを風音を自分の妻にすることで返せと言ってきた。風音の美貌と矜持に魅かれたらしいが、妻帯者であることや、その傲慢な態度から道反大神や守護妖たちから反対に遭う。風音の直接の拒絶と、彼女を追って来た六合から「申し出を取り下げろ」と刃を向けられ、しぶしぶ引き下がる。
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