玄学とは? わかりやすく解説

げん‐がく【玄学】

読み方:げんがく

奥深い学問。特に、老荘どの道家の思弁学問仏教哲学をいう。


げんがく 【玄学】

→ 玄

玄学

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/02/01 07:23 UTC 版)

玄学(げんがく、Neo-Daoism)とは、中国魏晋南北朝時代に隆盛を誇った哲学思潮。本来は「三玄の書」と称せられた『易経』『老子』『荘子』の解釈をする学問であったが、他の儒教の経典の解釈やその他派生する問題についての議論・著作へと発展した。

「玄」とは『老子』にある「玄之又玄」に由来する言葉で、暗くて目には映りにくいものを指す[1]

正始年間に活躍した何晏王弼らによってその基礎が築かれた。彼らは「無=道」は万物の本源であり、政治は無為をもって治めるのが良いと主張し、名教は自然から生まれ、名分や尊卑は道から生まれたとした[2]

続く阮籍嵆康らは儒家的価値を批判して老荘思想を重視して、名教を越えて自然に任せることを理想として、礼儀作法を無視したことで知られている[1][2]

晋の永嘉年間には向秀郭象が現れ、礼法名教や富貴貴賤は天理の自然から生じたもので人は自然に任せて分に安んじることで己を守るべきであると主張した[2]。特に後者の著した『荘子注』は先行する思想を総括した当時の玄学の到達点を示すものとして後世に影響を与えた[1]

続く南朝の諸王朝でも玄学は隆盛し、晋を継承した明帝は玄学を儒学文学史学と並ぶ「四科」とした[2]。しかし、張湛による『列子』注解の著作はあったものの、玄学そのものを発展させるような新たな見地は登場せず、前代からの論点を議論し続けるだけであった[1]。また、仏教が本格的に中国に伝わると、仏教の教義を玄学的に解釈することで受容されていったが、玄学と仏学の合流は結果的には仏教の隆盛と共に玄学の衰退をもたらすことになった[1][2]

脚注

  1. ^ a b c d e 「玄学」『中国文化史大事典』
  2. ^ a b c d e 「玄学」『中国歴史文化事典』

参考文献


玄学

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/09/04 10:23 UTC 版)

中国哲学」の記事における「玄学」の解説

詳細は「玄学」を参照 玄学は儒家道家要素融合させた学派で、『易経』、『道徳経』、『荘子』の再解釈行った。この流れの最も重要な哲学者王弼向秀郭象らである。この学派取り組んだ主な問題として存在非存在先立つか(中国語存在は「名」、非存在は「無名」である)というものがある。こういった竹林の七賢のような道家哲学者特徴的な形質は「風流」、つまり自然や本能的な衝動身を任せるある種ロマンチックな精神である。

※この「玄学」の解説は、「中国哲学」の解説の一部です。
「玄学」を含む「中国哲学」の記事については、「中国哲学」の概要を参照ください。

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玄学

出典:『Wiktionary』 (2018/07/06 06:48 UTC 版)

名詞

げんがく

  1. 老子荘子易経周易)の三玄を合わせた学問現象を動かす物の奥にひそむ幽玄にして玄牝な本質とされるものを解明する学問

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