もえつきたちず〔もえつきたチヅ〕【燃えつきた地図】
燃えつきた地図
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『燃えつきた地図』(もえつきたちず)は、安部公房の書き下ろし長編小説。『砂の女』『他人の顔』と共に、「失踪」三部作とされている[1][2]。突然失踪した或るサラリーマンを捜索する探偵が、男の足取りを追って奇妙な事件に遭遇するうち、やがて探偵自身が記憶を見失って失踪する物語。都会という砂漠の迷路の中で捜査の手がかりを求めてさまよう主人公の心象風景を通じ、現代の都市社会の人間関係を描いている[3][4]。探偵小説と純文学を融合させたスリップストリームと分類されることもある。
- ^ 安部公房「〈著者との対話〉通信社配信の談話記事」(名古屋タイムズ 1967年10月2日号に掲載)
- ^ 波潟剛「安部公房『燃えつきた地図』論―作品内の読者、小説の読者、および同時代の読者をめぐって―」(筑波大学文学研究論、1997年)
- ^ a b 安部公房「著者の言葉――『燃えつきた地図』」(『燃えつきた地図』函表文)(新潮社、1967年)
- ^ a b 安部公房(佐々木基一・勅使河原宏との座談会)「“燃えつきた地図”をめぐって」(『燃えつきた地図』付録)(新潮社、1967年)
- ^ 「作品ノート21」(『安部公房全集 21 1967.04-1968.02』)(新潮社、1999年)
- ^ a b c 安部公房「都市について」(新潮 1967年1月号に掲載)
- ^ a b c 安部公房「〈インタビュー 安部公房氏〉『波』のインタビューに答えて」(波 1967年10月1日・第一巻第4号に掲載)
- ^ ドナルド・キーン「解説」(文庫版『燃えつきた地図』)(新潮文庫、1980年。改版2002年)
- ^ 『新潮日本文学アルバム51 安部公房』(新潮社、1994年)
- ^ a b 三島由紀夫「推薦文」(『燃えつきた地図』函裏文)(新潮社、1967年)
- ^ ウィリアム・カリー『疎外の構造――安部公房・ベケット・カフカの小説』(安西鉄雄訳)(新潮社、1965年)
- ^ a b c d 徐洪「『燃えつきた地図』における反復表現」(広島大学近代文学研究会、2004年)
- ^ a b 「ま行――燃えつきた地図」(なつかし 1989)
- ^ 「昭和43年」(80回史 2007, pp. 168–175)
- ^ 「1968年」(85回史 2012, pp. 250–258)
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