方舟さくら丸とは? わかりやすく解説

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はこぶねさくらまる【方舟さくら丸】

読み方:はこぶねさくらまる

安部公房長編小説昭和59年1984)刊。地下採石場跡の洞窟核シェルター作った男の悲喜劇を描く。


方舟さくら丸

読み方:ハコブネサクラマル(hakobunesakuramaru)

作者 安部公房

初出 昭和59年

ジャンル 小説


方舟さくら丸

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/02/08 01:07 UTC 版)

方舟さくら丸
訳題 The Ark Sakura
作者 安部公房
日本
言語 日本語
ジャンル 長編小説
発表形態 書き下ろし
刊本情報
出版元 新潮社
出版年月日 1984年11月
装幀 司修
ウィキポータル 文学 ポータル 書物
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方舟さくら丸』(はこぶねさくらまる)は、安部公房小説。1984年11月、新潮社より〈純文学書き下ろし特別作品〉として刊行された。もともとは『志願囚人』という題で執筆されていたが、ワードプロセッサー導入以後に改められている。ワードプロセッサーを導入した最初期の日本の商業小説である。短編『ユープケッチャ』はこの作品のプロローグに当たる。

あらすじ

豚呼ばわりされるなら「モグラ」と呼ばれたい主人公は元カメラマン引きこもり同然のような生活をしているように思われているが、実は世界滅亡の危機に備えて、地下の巨大な採石場跡に現代の箱舟とも言うべきシェルターを作っていた。そして外に出ては、共にシェルターで過ごす資格のある人間を探していたところ、ユープケッチャという自分の排泄物を食べながら生きる虫を売っていた元自衛隊の「昆虫屋」、元サラ金の取立ての「サクラ」、「サクラ」のガールフレンドである結婚詐欺経歴のある女が見つかった。彼らとのシェルター生活を送る中、スイート・ポテトを販売する「千石屋」、高齢者の清掃ボランティア団体「ほうき隊」や不良少年グループ「ルート猪鍋」、両方の組織の長である「モグラ」の父親が現れて、世界滅亡ごっこがサバイバルゲームに変化していく。

評価

J・W・カーペンターは、旧約聖書ノアの方舟と比較し、本作が出帆までの具体的かつ現実的な困難さを詳細に描いており、方舟が出航を待たずして破局を迎えているのが必然であるということを作者が意図して描いた作品だと評している[1]

関連小説

ユープケッチャ
作者 安部公房
日本
言語 日本語
ジャンル 短編小説
発表形態 雑誌掲載
初出情報
初出新潮1980年2月号
刊本情報
刊行カーブの向う・ユープケッチャ』
出版元 新潮文庫
出版年月日 1988年12月5日
ウィキポータル 文学 ポータル 書物
テンプレートを表示
  • 短編小説『ユープケッチャ』

書誌情報

脚注

  1. ^ J・W・カーペンター「解説」(新潮文庫 1990, pp. 376–379)

参考文献



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