熊本地震による被災と復旧
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/05/17 16:37 UTC 版)
「九州新幹線 (鹿児島ルート)」の記事における「熊本地震による被災と復旧」の解説
2016年(平成28年)4月14日21時26分に発生したM6.5 最大震度7の前震、および16日1時25分に発生したM7.3 最大震度7の本震など一連の平成28年熊本地震により、九州新幹線は大きな被害を受けた。4月14日夜の前震発生時に九州新幹線では9本の列車が走行していたが、そのうち熊本駅から熊本総合車両所に向かっていた回送列車(800系6両編成)が熊本駅から鹿児島中央駅方約1.3kmの坪井川橋梁上で脱線し、その車両は16日未明の本震により最大23㎝動いた。その他の全列車は地震感知による送電停止により緊急停車し、脱線することはなく、駅間に停車した列車の乗客の救済は翌朝までに完了した。地上設備においては橋脚受け部の破損、防音壁の落下等が生じたが、九州新幹線の構造物は1995年の兵庫県南部地震(阪神・淡路大震災)級の地震に耐えられる基準で設計されていたことから、構造物の基本的な部分に関する致命的な損傷は少なかった。駅部では熊本駅や新八代駅で損壊が生じた。また、回送列車が脱線したことで軌道の損傷が生じた。 脱線した回送車両は河川橋梁上であり大型クレーンが近づくことができないため、脱線復旧機材を用いて載線した後、モーターカーによる牽引で1両ずつ熊本総合車両所に搬入された。 熊本県以外では被害はぼぼ生じなかったが、脱線箇所が熊本総合車両所に近く、車両の出入区に支障をきたした影響で車両の検査ができず、全線で運転再開ができなかった。その後、4月21日に新水俣駅 - 鹿児島中央駅間で、23日午後に博多駅 - 熊本駅間で、27日午後に熊本駅 - 新水俣駅間で運転を再開し、九州新幹線は地震発生から13日後に全線で運転再開を果たした。翌28日には山陽新幹線との相互直通運転を再開した。ただし、一部区間では徐行運転を行い所要時間が通常より長くなる、運行本数が通常の約9割になる、通常は鹿児島中央駅発着の一部列車が熊本駅発着になるなど、変則的なダイヤで運転された。このときの指定席特急券などの取り扱いについては、山陽新幹線との直通列車は通常通り指定券を発売していたが、九州新幹線内のみを走行する列車については、普通車は全車自由席とし、グリーン車(N700系のみ)は車内でのみグリーン券を発売するといった対応を行っていた。7月4日からは通常ダイヤの本数、運転区間に戻り、九州新幹線内のみを運行する列車の指定席券の販売も再開された。熊本駅 - 新八代駅間では、この後も一部区間で引き続き徐行運転を行い、鹿児島中央駅発着の列車は所要時間が通常より数分延びた状態で運行していた。2017年3月4日から、地震により被害を受けた設備の補修や脱線防止ガードの敷設など復旧・地震対策作業が完了することに伴い、熊本駅 - 新八代駅間の一部で行われていた徐行運転を解除し、所定の速度での運転を再開した。
※この「熊本地震による被災と復旧」の解説は、「九州新幹線 (鹿児島ルート)」の解説の一部です。
「熊本地震による被災と復旧」を含む「九州新幹線 (鹿児島ルート)」の記事については、「九州新幹線 (鹿児島ルート)」の概要を参照ください。
熊本地震による被災と復旧
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/21 07:40 UTC 版)
「九州新幹線」の記事における「熊本地震による被災と復旧」の解説
2016年(平成28年)4月14日21時26分に発生したM6.5 最大震度7の前震、および16日1時25分に発生したM7.3 最大震度7の本震など一連の平成28年熊本地震により、九州新幹線は大きな被害を受けた。4月14日夜の前震発生時に九州新幹線では9本の列車が走行していたが、そのうち熊本駅から熊本総合車両所に向かっていた回送列車(800系6両編成)が熊本駅から鹿児島中央駅方約1.3 kmの坪井川橋梁上で脱線し、その車両は16日未明の本震により最大23㎝動いた。その他の全列車は地震感知による送電停止により緊急停車し、脱線することはなく、駅間に停車した列車の乗客の救済は翌朝までに完了した。地上設備においては橋脚受け部の破損、防音壁の落下等が生じたが、九州新幹線の構造物は1995年の兵庫県南部地震(阪神・淡路大震災)級の地震に耐えられる基準で設計されていたことから、構造物の基本的な部分に関する致命的な損傷は少なかった。駅部では熊本駅や新八代駅で損壊が生じた。また、回送列車が脱線したことで軌道の損傷が生じた。 脱線した回送車両は河川橋梁上であり大型クレーンが近づくことができないため、脱線復旧機材を用いて載線した後、モーターカーによる牽引で1両ずつ熊本総合車両所に搬入された。 熊本県以外では被害はぼぼ生じなかったが、脱線箇所が熊本総合車両所に近く、車両の出入区に支障をきたした影響で車両の検査ができず、全線で運転再開ができなかった。その後、4月21日に新水俣駅 - 鹿児島中央駅間で、23日午後に博多駅 - 熊本駅間で、27日午後に熊本駅 - 新水俣駅間で運転を再開し、九州新幹線は地震発生から13日後に全線で運転再開を果たした。翌28日には山陽新幹線との相互直通運転を再開した。ただし、一部区間では徐行運転を行い所要時間が通常より長くなる、運行本数が通常の約9割になる、通常は鹿児島中央駅発着の一部列車が熊本駅発着になるなど、変則的なダイヤで運転された。このときの指定席特急券などの取り扱いについては、山陽新幹線との直通列車は通常通り指定券を発売していたが、九州新幹線内のみを走行する列車については、普通車は全車自由席とし、グリーン車(N700系のみ)は車内でのみグリーン券を発売するといった対応を行っていた。7月4日からは通常ダイヤの本数、運転区間に戻り、九州新幹線内のみを運行する列車の指定席券の販売も再開された。熊本駅 - 新八代駅間では、この後も一部区間で引き続き徐行運転を行い、鹿児島中央駅発着の列車は所要時間が通常より数分延びた状態で運行していた。2017年3月4日から、地震により被害を受けた設備の補修や脱線防止ガードの敷設など復旧・地震対策作業が完了することに伴い、熊本駅 - 新八代駅間の一部で行われていた徐行運転を解除し、所定の速度での運転を再開した。
※この「熊本地震による被災と復旧」の解説は、「九州新幹線」の解説の一部です。
「熊本地震による被災と復旧」を含む「九州新幹線」の記事については、「九州新幹線」の概要を参照ください。
- 熊本地震による被災と復旧のページへのリンク