無冠の終焉とベンゲル退任(2011年-2018年)
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「アーセナルFC」の記事における「無冠の終焉とベンゲル退任(2011年-2018年)」の解説
エミレーツ・スタジアム建設に関わる負債の減少から緊縮財政が終わると、経済的理由による主力の放出は収まり、高額な移籍金のかかる選手の獲得にも乗り出せるようになる。 2013年9月2日にアーセナルは当時のクラブ史上最高の移籍金5000万ユーロでレアル・マドリードからメスト・エジルを獲得した。エジルはカソルラらと息の合ったコンビネーションを構築し、2年連続でUEFAチーム・オブ・ザ・イヤーに選出されるほどの卓越したパフォーマンスを披露した。このような補強の成功と戦力の増強が奏功し、チームは5月17日のFAカップ決勝にてハル・シティに逆転勝利を収めて優勝を果たし、アーセナルは9シーズンぶりにタイトル獲得の喜びをファンと分かち合った。 2014-15シーズンはバルセロナからでチリ代表のアレクシス・サンチェスを、ニースから2014 FIFAワールドカップで脚光を浴びたコロンビア代表のダビド・オスピナを、ニューカッスル・ユナイテッドからフランス代表のマテュー・ドゥビュシーなど6名を獲得するなど、積極的な補強を行った。コミュニティーシールドでは前季リーグ王者のマンチェスター・シティと対戦し3-0で勝利を収め、シーズン最初のタイトルを獲得した。リーグも安定した戦績を積み3位となったほか、FAカップで決勝でアストン・ヴィラに4-0で勝利を収め、2年連続でカップを制した。この優勝によりアーセナルのFAカップにおける優勝回数は12回となり、マンチェスター・ユナイテッドを単独で上回る歴代最多優勝チームとなった。 2015年7月30日、同じくロンドンを本拠地とするライバルのチェルシーからペトル・チェフを獲得。8月2日にコミュニティーシールドでそのチェルシーと対戦して1-0で勝利し、同大会の通算タイトル獲得数を14に伸ばした。2015-16シーズンは前半戦(19節)終了時点でリーグ首位に立っていたものの、最終的にレスターに抜かれ、2004-05シーズン以来の2位でシーズンを終えた。 2016-17シーズンは、ボルシアMGからグラニト・ジャカ、バレンシアからシュコドラン・ムスタフィ、デポルティーボ・ラ・コルーニャからルーカス・ペレスを獲得した。開幕戦こそリヴァプールに敗れたものの、チェルシーに勝利するなど調子は上向きであった。エジルが不調に陥り、サンチェスの個の力に依存するようになると徐々に順位を落とし、最終的に5位でシーズンを終え、チャンピオンズリーグ出場権を19シーズンぶりに逃した。同年のチャンピオンズリーグでもベスト16でバイエルンに2戦合計2-10で大敗した。FAカップでは決勝でチェルシーに2-1で勝ち、再び史上最多となる13回目の優勝を飾った。 2017-18シーズンは、夏の移籍市場でセアド・コラシナツ、アレクサンドル・ラカゼットを獲得したほか、長年に渡って維持してきたCL出場権を逃したことでフロント陣の大刷新が図られ、フィットネスコーチとしてAFLのチームからオーストラリア代表やリヴァプールで働いていたオーストラリア人ダレン・バージェスを引き抜いた。彼はアーセナルでは、メディカル、フィットネス、心理学、そしてパフォーマンス分析を任され、更にスポーツにおける法律関連の業務を取り扱う企業のディレクター職兼自転車ロードレースのチーム「チームスカイ」で法律顧問を務める弁護士ハス・ファミーを契約交渉担当として引き抜いた。2017年11月20日に約10年間ドルトムントに在籍し敏腕スカウトとして注目されていたスヴェン・ミスリンタットをスカウトとしては異例の移籍金を支払う形でスカウト部門の責任者として引き抜いた。同年11月28日、約15年間FCバルセロナのFDを務めていたラウル・サンレヒが2018年2月1日からサッカー部門責任者として就任することを発表した。トップチームのコーチにクラブOBのレーマンが就任した。入れ替わる形で約8年間に渡って交渉責任者を務めていたディック・ロウや約25年間に渡ってチーフスカウトを務めてきたスティーブ・ローリーが退任した。冬の市場ではオーバメヤンやサンチェスとトレードする形でムヒタリアンなど、ミスリンタットが古巣でスカウトした選手を立て続けに獲得した。スタッフ陣の大刷新も実らず、6位でシーズンを終え2季連続でCL出場権を逃したことで、2018年4月20日、22年間指揮したアーセン・ベンゲルの今季限りでの退任が発表された。
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