無冠の帝王、戴冠
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/12 00:31 UTC 版)
『占星術殺人事件』に続いて出版された『斜め屋敷の犯罪』『死者が飲む水』も実は江戸川乱歩賞に応募された作品である(講談社文庫の江戸川乱歩賞全集の巻末にある予選通過作品一覧にその名を見つけることができる)。しかし両作品とも最終候補にも残らず予選通過のみで落選、という憂き目に遭っている。 1984年、『漱石と倫敦ミイラ殺人事件』で、1985年、『夏、19歳の肖像』で直木賞候補にあがるが、落選。以降の作品では直木賞にノミネートされていない。 1985年は吉川英治文学新人賞に『漱石と倫敦ミイラ殺人事件』が候補としてノミネートされるが、落選。 日本推理作家協会賞には8年連続で8回候補としてノミネートされたが、これは選考前に本人から辞退している。 上記の日本推理作家協会賞ノミネート拒否の経緯により賞レースに消極的な姿勢を貫いていたかに見えたが、2005年に発表した『摩天楼の怪人』が本格ミステリ大賞にノミネートされた際、拒否することなく候補を受諾した。しかし結果は東野圭吾の『容疑者Xの献身』が大賞を受賞、『摩天楼の怪人』は2票差で次点に甘んじることとなった。 以上のように、デビュー以来本格推理をリードしてきた島田だったが賞とは無縁であり、「無冠の帝王」と称されることもあった。しかし2008年10月22日、第12回日本ミステリー文学大賞を受賞、無冠を返上した。 その後2010年に発表の『写楽、閉じた国の幻』で第11回本格ミステリ大賞にノミネートされるも受賞ならず(大賞は麻耶雄嵩『隻眼の少女』)。
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