火・燃焼
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/16 14:12 UTC 版)
熱エネルギーを燃焼する武器は人力以外では古い歴史を持つ代表的存在である。可燃物を延焼させる火の性質を利用するものと、燃焼によって生じるエネルギーを利用するものがある。 火炎・燃焼 人類の火の利用の歴史は古く、武器への利用もまた古代から行われていた。木製の建築物や船舶、陣地を焼き払うのに威力を発揮する火矢は広く世界で使われてきた。古くは可燃性の液体を用いたギリシア火薬、火薬を用いた焙烙玉があり、現代の火炎放射器や焼夷弾は、大規模な延焼のみならず酸素消費、発生する煙・ガスによる窒息効果をもたらす。ロケット兵器や爆弾では可燃性の炸薬や推進剤に、火をまき散らす副次効果をもたせたものがある。 爆発 燃焼による急速な気体膨張は爆発と呼ばれ、特に膨張速度が音速 (sonic) を超えるものは爆轟(ばくごう)と呼ばれ超音速 (supersonic) の衝撃波を伴う。特に爆轟は大きな破壊力と爆風を生み出し炸薬の量と質によっては大規模な破壊を起こす。弾頭に炸薬を充填し命中時に爆発するミサイルは現代の軍事において重要な役割を担っている。小規模な爆発を利用した武器も多く、爆弾や手榴弾、砲弾は衝撃と爆風を利用する。これに対し、破片手榴弾や指向性対人地雷は、爆発によって破片や弾丸に運動エネルギーをあたえ飛散物による攻撃を行う。 発射薬・推進薬 銃は火薬の燃焼によって発生する高圧のガス圧力によって、弾丸を運動させる(発射する)武器である。火箭やミサイル・ロケット弾は燃料によって飛翔体を推進させる武器で、これらの中には発射時の速度が遅さと安定度の低さを補うため、発射薬で撃ち出し初速を得るものがある。 特殊なものでは、燃焼によって発生する光や煙を利用するものがある。発煙弾や閃光弾・曳光弾はそれらにより、視界を遮ったり逆に目印とすることを目的としている。原始的な化学兵器も燃焼によって発生する有毒ガスや煙を利用したものであった。
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