潰瘍性大腸炎
潰瘍性大腸炎とは大腸に無数の潰瘍ができ,良くなったり悪くなったりを繰り返し,何年にもわたって続くやっかいな病気です.大腸が全てこの病気におかされ10年以上すると大腸のあちこちに癌が発生することもあります.10万人に2〜5人がこの病気にかかるといわれます. 直腸の炎症(むくみ,ただれ)から始まり潰瘍(粘膜の掘れ込み)をつくるようになり,次第に広がって時には大腸全部に潰瘍ができることもあります.潰瘍は隣同士が繋がったり,独立したりしており,自然に治る方向の潰瘍と病気の勢いのある潰瘍とが混ぜこぜになるなど,さまざまな形を示します.潰瘍の間に健康な大腸粘膜が島状に残り,茸のようなポリープ様に見えることもあります.潰瘍による炎症のため腸の壁は硬くなり,狭くなる(狭窄)こともあります.また,重症になると腸が巨大に膨らんだり,穴があいたり,大量の出血を認めるようになります. 潰瘍からの出血や蛋白質の漏れ出しがおこり,便に粘液と血液が混じりあったような粘血便や下痢,腹痛,食欲不振,体重減少などがみられます.また腸管の他にも口の中にアフタ(潰瘍)ができたり,皮膚が硬く赤くなったり,眼に炎症を起こしたり,全身の関節炎になったりします. 大腸内視鏡検査と注腸検査(お尻から造影剤を注入する検査)で診断します.内視鏡検査では大腸粘膜がざらざら状だったり,血が出やすかったりして血膿み状の分泌物や,上に書いたようにたくさんのいろいろな程度の潰瘍やポリープがみられます.注腸検査では粘膜の皺が見えなかったり,腸の壁が硬くなった像,腸が狭くなった像などがみられます. 治療は腸の炎症を押えるステロイド剤やサラゾピリンなどの薬を口からのんだり,お尻から注入したりする,内科的治療が基本です.薬を続けてもなかなか治りにくいもの,病気の勢いが抑えきれないもの,あるいは大量の薬でないと抑えきれなくて成長障害が心配されるとき,病気が長期にわたり癌の発生が心配されるときなどは手術が必要になります.病気におかされた腸をすべて取り去ることが手術の基本です. 一般に内科的治療では良くなったり悪くなったりを繰り返し,結局は長期化することが多くなりますので,前述のような問題点が少しでも認められたら手術が勧められます.
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