肥厚性幽門狭窄症
胃の出口 にある幽門筋が肥厚するために胃の出口が狭くなり,飲んだミルクが十二指腸に運ばれず胃内に停滞します.ミルクで胃が一杯になると飲んだミルクを噴水状に大量に吐きますが,吐いた後でも赤ちゃんは空腹感のためにさらにミルクを欲しがります.幽門筋がなぜ肥厚するのかは正確にはわかっておりません.この病気は初めてのお子さんで,しかも男の子に多くみられますが,女の子や第2子以降のお子さんにも無いわけではありません.これまで親子にみられたケースや双胎(双子ちゃん)の双方にみられたケースも報告されています. 治療開始が遅れますと体液がアルカリ性に傾き,体重増加が得られずやがては出生時体重をも下廻ってくることもあります.診断は比較的容易ですが,最近では 超音波検査 で幽門筋の肥厚の程度まで測定することができます.治療方法はまず体液がアルカリ性に傾いているのを点滴で補正する必要があります.現在では手術によって幽門筋を切開し拡げる方法(ラムステット手術という)が世界中で行われており,手術後早い時期にミルクが飲めるようになります.この数年,内視鏡を使って幽門筋を拡げたり( 鏡視下手術 ),また,硫酸アトロピンという製剤を静脈内に注射することにより幽門筋を弛緩させて治療する方法などの有効性について小児外科学会で議論されております.治療方法の選択は小児外科主治医とご相談ください.
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肥厚性幽門狭窄症
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/10/03 09:58 UTC 版)
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肥厚性幽門狭窄症 | |
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胃の構造
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分類および外部参照情報 | |
診療科・ 学術分野 |
遺伝医学 |
ICD-10 | Q40.0 |
MeSH | D011707 |
肥厚性幽門狭窄症(hypertrophic pyloric stenosis)は、胃から十二指腸への出口(幽門)の筋層が厚くなり、胃の出口が狭くなる疾患である。哺乳後の非胆汁性嘔吐として、ときに噴水様嘔吐と呼ばれる激しい嘔吐をきたす。出生後2週以降で発症することが多い。[1]
早産児では出生日からの日齢としては成熟児よりもやや遅めに発症するが、分娩予定日からの修正日齢で考えると成熟児よりもやや早めに発症するという報告がある。[2]
繰り返す嘔吐により胃液を喪失し、脱水や低Cl性代謝性アルカローシスに至る。 輸液などの全身管理も必要となる。
硫酸アトロピンによる薬物療法が試みられる場合もあるが、効果不十分であれば粘膜外幽門筋切開術(ラムステッド法)による手術加療が行われる。

脚注
- ^ Ranells, JD; Carver, JD; Kirby, RS (2011). “Infantile hypertrophic pyloric stenosis: epidemiology, genetics, and clinical update.”. Advances in Pediatrics 58 (1): 195–206. doi:10.1016/j.yapd.2011.03.005. PMID 21736982.
- ^ Christopher M. Stark (2015). “Association of prematurity with the development of infantile hypertrophic pyloric stenosis”. Pediatric research 78 (2): 218-222. PMID 25950452.
- ^ “Pyloric stenosis | Radiology Case | Radiopaedia.org” (英語). radiopaedia.org. 2017年4月20日時点のオリジナルよりアーカイブ。2017年4月20日閲覧。
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