潜水での利用とは? わかりやすく解説

潜水での利用

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/10 06:41 UTC 版)

液体呼吸」の記事における「潜水での利用」の解説

もし液体呼吸が完全なものであれば潜水において有効である。 潜水では、肺内部圧力体外の気圧等しくなければならず、そうでなければ肺はつぶれてしまう。ダイバーx m深さにおり、水面での気圧を p bar海面との高度差がよほど大きくない限り p = 1 とみなせる)とすると、x/10 + p bar圧力を受けながら呼吸しなければならない。この圧力深さにしたがって増加し120 m13 bar 前後深海平原では 500 bar 前後になる。このような高圧は体に悪影響及ぼし急激に開放され場合には特に危険である。空気塞栓窒素酔い減圧症などの潜水病が起こる。解決策1つ大気圧潜水服だが、これはかさばる上に取り扱いにくい。より簡便な方法ヘリオックス (heliox) やトライミックス (trimix) のように、窒素ヘリウム置換した混合ガス使用することである。しかし、ヘリウム体組織中に溶け込むため減圧されたときに気泡発生させるのは窒素と同様であり、この方法でも減圧症問題解決することはできない。 肺を液体満たせば、気体満たされていた場合必要だったような膨大な量の気体分圧維持させることなく体内圧力水圧変化対応させることができるようになる。高分圧での気体使用撤廃することにより、体組織高圧窒素ヘリウムによる飽和を防ぐことができ、ゆっくりとした減圧など減圧症回避するための手間がなくなる。潜水する哺乳類は、一呼吸で深いところまで潜る人間素潜り同様に水面まで急速に戻って減圧症起こすことはほとんどあるいは全くない。これは一呼吸程度の量の気体では体組織蓄積される窒素の量が減圧症が起こるほど多くないためである。深海まで潜水する哺乳類人間の肺はほぼ完全につぶれている。 この考え方実際に適用するには以下に示す問題点がある。潜水液体呼吸応用する場合には完全な液体置換を行わねばならないそうすることにより高い空気分圧避けられるため、塞栓原因となる気泡血中に少しも発生させない状態を維持できる。しかし、液体による完全な置換行った場合二酸化炭素除去するのに十分な量の液体流通させるのに困難を伴う。全圧がいくら高くても、呼吸を行う液体中に溶かし出すのに影響する血液中の二酸化炭素分圧40 mmHg より高くならないこの程度の圧では、大部分液体フルオロカーボンでは、安静な状態での代謝十分に二酸化炭素除去するには毎分70 mL/kg の交換速度が必要である。体重 70 kg大人で約 5 L/min となる。密度の高い液体場合これはかなりの多量であり、激しくない仕事をした時でも、二酸化炭素生成量が2倍になるとすると必要流量も2倍になる。この計算値が液体呼吸における現実的な流速の上限である。流通装置使わず人間液体フルオロカーボン10 L/min の流速で動かすのは無理だ考えられており、そのため「自由な呼吸」も不可能とされている。 この技術ジェームズ・キャメロン1989年監督作品である映画『アビス』作中登場した

※この「潜水での利用」の解説は、「液体呼吸」の解説の一部です。
「潜水での利用」を含む「液体呼吸」の記事については、「液体呼吸」の概要を参照ください。

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