法的な手続き
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/27 14:39 UTC 版)
火災調査は、法的には消防法第7章において定められた消防機関の行政調査である。消防法により火災予防を目的として、消防法第7章第31条に消防機関が、火災の原因と損害の調査を実施することを定めている。以下、第32条から第34条において、消防職員の火災現場への立入検査権や資料提出命令権、あるいは関係のある者に対する質問権、他の官公署への通報要求権などの火災調査上必要な権限を付与している。 警察機関も火災現場の調査を行う。これは、放火や失火などの犯罪捜査の端緒として任意捜査で行う場合と予め事件性が高く令状による強制捜査として行われる場合である。他に、海上保安庁、労働基準監督署、自衛隊敷地内火災での警務隊、林野火災での森林管理署、航空機火災での運輸安全委員会、海上船舶火災での海難審判所など、それぞれの機関が所管する法令に則り、火災により発生した事案(例:作業場での火災で労働者が負傷した場合の原因を労働基準監督署が調査する。)に関わる事項の調査を実施している。また、火災保険会社も火災保険支払いの損害確定のため現地調査を実施しており、実質的には委託を受けた専門の損害保険鑑定人が行っており、共済保険組合では、組合の担当者が実施している。 消防と警察との競合を避ける意味で、消防法第35条に「放火又は失火の疑いのあるときは、その火災の原因の調査の主たる責任及び権限は、消防長又は消防署長にあるものとする。」となっており、火災現場での主たる調査は消防機関が行っている。放火等の犯罪があると認められる時は、消防機関は通報や証拠保全に努めている。 火災時のり災証明は、建物の損害を証明する「不動産り災証明」と什器、備品、商品などの「動産り災証明」があり、いずれも「証明書」として、消防署長名で発行される。地震等の災害においても火災が発生しているり災では、主に消防署が証明書の発行を行う。
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