法律上の署名行為
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/30 07:28 UTC 版)
通例、意思表示があったことを示すものとされる。 日本法上、本来「署名」とは自署(手書きでの記名、いわゆるサイン)を指すが、自署に代えて記名押印が求められることが多い。商法32条は、商法上の署名は記名押印で代えることができることを規定している。記名押印とは、氏名・名称を記し(手書きに限らず、ゴム印や印刷等で構わない)、併せて印章を捺印することをいう。 署名と捺印の両方が必要とされる場合には、署名を記名押印で代えることができない。そのような例はごく少数であるが、たとえば遺言の作成に当たっては、自筆証書遺言の場合は遺言者の、秘密証書遺言と公正証書遺言の場合は遺言者、証人と公証人の、それぞれ署名と捺印が必要である(民法968条、969条、970条)。また、戸籍に関する届出も届出人や証人の署名と押印が必要とされる(戸籍法第29条)が、署名できないときには氏名を代書させ押印(または拇印)することで足りる(戸籍法施行規則第62条。印を持っていないときには署名だけで足りる)。そのほか、区分建物の管理組合における集会の議事録については、議長および集会に出席した区分所有者の2人が署名押印しなければならない(区分所有法42条3項)。 日本法上の手形の券面上の署名についての解釈論については、手形理論、手形行為等の項目を参照。 なお、日本において法令上押印を求められる場合でも、外国人については外国人ノ署名捺印及無資力証明ニ関スル法律により署名をもって足りるものとされている。これは、特にヨーロッパおよびアメリカでは、個人が印章を持つ慣習がないためである。 日本国憲法第74条により、日本の法律及び政令には、主任の国務大臣の署名と、内閣総理大臣の連署が求められている。これは法律の執行や、政令の制定・執行の責任の所在を明らかにするためである。
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