江戸しぐさを掲載した教材
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「江戸しぐさ」の記事における「江戸しぐさを掲載した教材」の解説
2007年3月、東京都千代田区は「江戸しぐさを題材とした道徳教育資料集」を作成し、千代田区立全校で道徳教育を実施した。また、茨城県守谷市は江戸しぐさを参考に冊子「わたしたちの守谷しぐさ」を刊行、市内小中学校に配付し2015(平成27)年度より冊子を活用した授業を行うと発表したが、マナー内容の参考で、江戸時代から伝えられたものとはしておらず、現代事情に合わせたものになっている。 道徳教材(副読本)に掲載された例として 小学校東京書籍『小学校道徳 6 明日をめざして』(2008・平成21年度までに採用) 学校図書『小学校道徳 かがやけ みらい』(2008・平成21年度までに採用) 文部科学省道徳教材『私たちの道徳』小学校5・6年生用(2014・平成26年度から採用)※と学会は当書に2015年のトンデモ本大賞を授与。 中学校日本標準『中学道徳副読本1年 みんなで生き方を考える道徳』(2008・平成21年度までに採用) 学研『中学生の道徳1年 かけがえのないきみだから』(2008・平成21年度までに採用) 日本文教出版『あすを生きる』(2008・平成21年度までに採用) 正進社『キラリ☆道徳』(2008・平成21年度までに採用) 文部科学省検定済教科書に掲載された例として、 小学校啓林館『わくわく算数 6年生』(2015・平成27年度から採用) 中学校育鵬社『中学社会 あたらしいみんなの公民』(2012・平成24年度から採用) その他。教材に掲載された例として 中学校帝国書院『アドバンス中学歴史資料』(2015・平成27年度から別の内容のコラムに差し替え) 高等学校教育図書『最新版 私たちのエチケット』(家庭科資料集) 実教出版『生活学Navi 資料+成分表』(家庭科資料集) 文部科学省の道徳教材において取り上げられていた江戸しぐさに関しては、担当した小学校高学年用チーム主査は「NPO法人江戸しぐさのホームページなどを参考にした」としていたが、後に同省教育課程課の課長補佐は「道徳教材はNPO法人の主張を参考にしていない。江戸しぐさが歴史的な事実だとは言っていない」と主張していた。2013年7月8日から2014年7月25日まで初等中等教育局長を勤め、小中学校教科書作成の責任者であった前川喜平は、江戸しぐさを道徳教材に掲載したことは、文部科学大臣であった下村博文の指示によるものであると主張しており、自分自身も当時は伝統的な道徳だと思っていたが、2019年の取材では「あんなインチキなものを」、「悔やんでも悔やみきれない」と述べている。 2015年からは江戸しぐさ掲載への批判が強まり、育鵬社は、2016年(平成28年)度からは掲載しないと表明した。しかし、平成28年度の改定を経た、文部科学省作成の高学年用道徳教材『私たちの道徳』では江戸しぐさの記述が残存している。文部科学省は「道徳の教材は江戸しぐさの真偽を教えるものではない。正しいか間違っているかではなく、礼儀について考えてもらうのが趣旨だ」と回答している。平成29年度(2017年)の社会科教科書からは、すべての江戸しぐさに関する記述は無くなっている。
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