汚染が少ない
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/02/23 05:25 UTC 版)
南極隕石は後述の通り氷床に包まれている期間が長く、さらに露出したあとも雨雪が少ない地域で発見されることが多い。そのため、風化や人為的汚染が他の隕石よりも少ないという特長がある。特に炭素質隕石が汚れていないことは進化生命学や生化学の研究において大いに役立っている。かつてはやまと 74662からアミノ酸が多数検出された。また2011年8月22日にNASAは南極隕石から、地球上で天然に作られない有機物と、生命維持において重要な有機物と、アデニンとグアニンを発見した、と報告した。 採集時の汚染をなるべく減らすために、日本の第20次南極観測隊はテフロン製の袋で、以後の観測隊はナイロン製の袋で、隕石を直接つつみ、手や呼気が隕石と触れないようにしている。加えて、採集者が乗ってきたスノーモービルを隕石の風下側に停車することにより、排気ガスが隕石に触れないようにもしている。それ以前は、例えば1969年の10次隊では隕石にマジックインキで直接番号を書いたり、ガムテープで数珠のようにまとめたりしていた。 また付着している氷雪の融解や結露などによって、隕石に水分が付くと、汚染の原因になったり隕石に含まれる金属が錆びたりする。これを防ぐため、日本の極地研究所では南極観測船の冷凍室にいれて冷凍したまま南極から持ち帰る。そして水分を含まない窒素ガスの充填された所で解凍したり慎重に水分を拭いたりしている。加えて、隕石の持つ磁性に影響が出ないように金属釘を使用していない木製棚で隕石は保管されている。 1996年、NASAのデイヴィッド・マッケイ博士は、アラン・ヒルズ84001には微小な生命の証拠が含まれていると報告した。本当に生命の痕跡なのかどうか、未だ結論は出ていない。
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