ARGUS炉
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/08/08 23:25 UTC 版)
小型の水性均質炉であるARGUS炉を元にして、ロシアのクルチャトフ研究所において、環境汚染が少なく経済的に成り立つ放射性同位体の生産手段が開発されている。この20kWの熱出力を持つ炉は、1981年より運用されており、効率および安全性の点で高い指数を記録している。この炉による、ストロンチウム89およびモリブデン99の生産法の採算性調査は途上である。ベルギーの国立放射性元素研究所の分析によると、ARGUS炉で生産されたモリブデン99のサンプルは、非常に放射化学的に純粋であることが特徴で、不純物の割合は許容範囲の上限の二桁から四桁ぐらい小さいという。放射性医薬品としてはモリブデン99や、ストロンチウム89は一般的である。前者は腫瘍学や循環器科学や泌尿器科学のある程度の数の疾患を診断するのに使われるテクネチウム99mの原料となる。毎年600万人がヨーロッパでこの放射性同位体による診断を受けている。
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