正書法からの母音の長さの予測
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/13 02:07 UTC 版)
「ウェールズ語の正書法」の記事における「正書法からの母音の長さの予測」の解説
上述したように、サーカムフレックス付きの母音は常に長く、グレイヴ・アクセント付きの母音は常に短い。もし母音がトレマ付きとすると、その長さはその環境によって決定されなければならない。規則は方言によって異なる。 全ての方言で、強勢のある母音のみが長い可能性がある。強勢のない母音は常に短い。 アクセント記号無しの(強勢のある)母音は長い。 単語の最終音節で子音が続かない時: da /dɑː/(良い)。 有声閉鎖音b、d、gの前と(llを除く)全ての摩擦音dd、f、ff、th、sの前: mab /mɑːb/(息子)、hoff /hoːf/(好みの)、peth /peːθ/(物)、nos /noːs/(夜)。 アクセント記号無しの母音は短い。 強勢のない(前接的)単語: a /a/。 p、t、c、ngの前: iet /jɛt/(門)、lloc /ɬɔk/(羊を入れておく囲い)、llong /ɬɔŋ/(船) ほとんどの子音連結の前: sant /sant/(聖人)、perth /pɛrθ/(生垣)、Ebrill /ˈɛbrɪɬ/(4月)。 母音yは、/ə/ と発音される時は、他の母音が長くなる環境にある時でさえも常に短い[要出典]: cyfan /ˈkəvan/(全てを含んだ)。狭母音または広めの狭母音(北部では /ɨ/ または /ɨ̞/、南部では /i/ または /ɪ/)として発音される時、yはその他の母音と同じ規則に従う: dydd(日)/ˈdɨːð/(北部)~ /ˈdiːð/(南部)、gwynt(風)/ˈɡwɨ̞nt/(北部)~ /ˈɡwɪnt/(南部)。 l、m、n、およびrの前では、アクセント記号無しの母音は長いこともあれば短いこともある: gwin /ɡwiːn/(ワイン)、prin /prɪn/(ほとんど~ない); hen /heːn/(古い)、pen /pɛn/(頭); dyn /dɨːn/ ~ /diːn/(男); gwyn /ɡwɨ̞n/ ~ /ɡwɪn/ (白い): stwmo /ˈstuːmo/(たき火を積み上げる)、amal /ˈamal/(しばしば); celyn /ˈkeːlɪn/(モチノキ)、calon /ˈkalɔn/(心)。最後の4例では南部ウェールズ語発音のみが示されている。北部ウェールズ語では最終音節以外の母音は常に短いためである。nnとrrの前では、母音は常に短い: onn /ˈɔn/(セイヨウトネリコの木々)、ennill /ˈɛnɪɬ/(勝つ) 、carreg /ˈkarɛɡ/(石)。 北部方言では、長母音は強勢があり、単語の最終音節に現われる。最終音節以外の母音は常に短い。上述した規則に加えて、北部方言ではsで始まる子音連結の前で母音は長い: tyst /tɨːst/(目撃者、証人)。llの後ろに子音が続かない時、llの前の母音は短い: gwell /ɡwɛɬ/(より良い)。llの後に子音が続く時は母音は長い: gwallt /ɡwɑːɬt/(髪)。 南部方言では、強勢のある最後から2番目の(英語版)音節や強勢のある語末音節に長母音が現われるかもしれない。llの前で、最終音節の強勢のある母音は長いこともあるし(例えばgwell "より良い" /ɡweːɬ/)、短いこともある(例えば twll "穴" /tʊɬ/)。しかしながら、llの前のペナルト(最後から2番目の音節)の強勢のある母音は常に短い: dillad /ˈdɪɬad/(服の集合名詞)[要出典]。 sの前では、最終音節の強勢のある母音は上述したように長いが、ペナルトの強勢のある母音は短い: mesur(寸法、メジャー)/ˈmɛsir/。子音連結の前で母音は常に短い: sant /sant/(聖なる)、gwallt /ɡwaɬt/(髪)、tyst /tɪst/(目撃者)。
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