欧州のオープンアクセスオペレーター化
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/06 02:37 UTC 版)
「国鉄」の記事における「欧州のオープンアクセスオペレーター化」の解説
ヨーロッパでは、欧州経済共同体(EEC)が1991年、陸運分野における鉄道の競争力向上を目指したEEC指令91/440号(EEC Directive 91/440、欧州連合発足後のEU指令91/440号、現・単一欧州鉄道指令2012 2012/34/EU、en:Single European Railway Directive 2012)を作成し、同年9月13日に発効した。 これはEEC加盟各国に対し、1992年12月30日を期限として、鉄道貨物サービスおよび国際旅客サービスを行う独立した列車運行事業法人が各国の国鉄線において同一のアクセス権を得ることを法的に担保することを義務化したもので、採算性が低く商業的に経営困難な場合が多い国内の地域旅客輸送事業については、公共性の観点からオプションとし義務化の対象に含めていない。 各国政府にあっては国鉄事業を「鉄道輸送サービスの提供に関連する事業」と「鉄道インフラの管理に関連する事業」に分離することを定め、各列車運行事業者の平等な施設利用を実現するため、組織的な分割のみならず、国庫から一方の事業名目で支出された資金を他方の事業に転用することを禁じるなど、会計上も明確に分離することを求めた。 この指令は国鉄事業の民営化(商業法人化)を直接求めるものではなかったが、鉄道事業を自由化し国家による独占状態を解消することが目的であったため、指令発効を受け加盟各国の多くで国鉄事業体の商業法人への転換が行われた。 さらに2004年には国際的な相互運用拡大や貨物輸送の開放拡大、安全強化などの法令を整備する「第二鉄道パッケージ」(EU指令2004/49/EC、同2004/50/EC、同2004/51/ECおよびEU規則EC881/2004)、2007年には旅客輸送のより完全なオープンアクセス化および関連する動力車乗務員の免許規定などを定めた「第三鉄道パッケージ」(EU指令2007/58/EC、同2007/59/ECおよびEU規則1370/2007、同1371/2007)が発効した。
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