横山党とは? わかりやすく解説

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横山党

読み方:ヨコヤマトウ(yokoyamatou)

平安末期鎌倉前期武蔵国武士団

別名 小野


横山党

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/06/16 04:14 UTC 版)

横山党(よこやまとう)は、平安時代後期から鎌倉時代にかけて、武蔵国多摩郡(現・東京都八王子市横山荘を中心として、武蔵国(大里郡比企郡 - 橘樹郡)および相模国北部に割拠した同族的武士団である。武蔵七党の一つ。武蔵七党系図の筆頭。有名人としては、中条家長(初代評定衆として御成敗式目の策定に関与)や愛甲季隆(弓の名手。畠山重忠を討ち取る)、横山時兼(正治2年)(淡路国守護)などが居る。時兼の叔母は鎌倉幕府侍所別当の和田義盛の妻、妹は和田義盛の長男常盛の妻であった。建暦3年(1213年)和田義盛と執権北条義時とが対峙した和田合戦で姻戚関係にあった和田氏に与したが敗れ衰退した。なお猪俣党も一族であり、横山義隆の弟の時資(またはその子時範)が猪俣となった。

出自

多くの文献から、小野篁の後裔とされている。

戦国時代では照手姫伝説にも横山姓の豪族が登場している。

武蔵国多摩郡横山(現・東京都八王子市元横山町)を本拠として横山姓を称したとされる。当時「横山」とは多摩丘陵を指し、『万葉集』に「多摩の横山」と詠われている。ここは武蔵の国府周辺であって、由比牧、小野牧との関連があった。前九年の役を境にして、武蔵の北部熊谷市より本庄市にいたる条里地域に面する台地の縁辺に移り、一族が繁栄する。荒川の扇状地上であるから条里の崩壊も少なく、生産的にみても最良の地である[1]

歴史

平安時代

鎌倉時代

横山党の諸氏

横山、椚田、海老名、野部(野辺、矢部)、藍原(相原、粟飯原)、淵辺(淵野辺)、平子(現在は三浦氏族とする説が有力)、山崎鳴瀬(成瀬)、古郡、小倉、由木、室伏、大串、千与宇、伊平、樫井、古市、田屋、八国府、山口愛甲、小子、平山、石川、古沢、小野古庄中村、大貫、田名、小沢、小俣本間、中野、成田中条横瀬氏由良氏新田氏と自称)、小山など。

安田元久は横山党の分家の多さから横山党が強勢を誇っていたものと推測している。

系譜

女子については系図に記さないが、秩父氏波多野氏梶原氏和田氏渋谷氏村上源氏相模守源有兼との通婚関係がみられる。 横山隆兼の娘は秩父重弘の妻となり畠山重能小山田有重を産む。さらに隆兼の孫娘のうち一人は三浦一族の和田義盛、一人は高座渋谷の渋谷高重の妻となった。 (秩父氏を参照)

脚注

注釈

  1. ^ 外祖父である相模守源有兼の養子になったと伝わる[3]
  2. ^ 平姓平子氏との関係は明らかでない[5]

出典

  1. ^ 柴田孝夫『地割の歴史地理学的研究』(古今書院、1975年)238頁
  2. ^ 「武蔵七党系図」『系図綜覧 第二』、 豊田武『日本史小百科 家系』(近藤出版社、1984年)125頁、『系図纂要』56,95巻。
  3. ^ 太田亮「本間 ホンマ」『姓氏家系大辞典 第5巻』(国民社、1942年)国立国会図書館デジタルコレクション
  4. ^ 埼玉県立歴史資料館編『中世武蔵人物列伝』(さきたま出版会、2006年)61頁。
  5. ^ 長村祥知 「西遷した武士団 中国方面」『武蔵武士団』、関幸彦編(吉川弘文館、2014年)191頁。

参考文献

  • 安田元久『武蔵の武士団―その成立と故地をさぐる―』(有隣新書、1984年発行)
  • 柴田孝夫『地割の歴史地理学的研究』(古今書院、1975年発行)
  • 埼玉県立歴史資料館編『中世武蔵人物列伝』(さきたま出版会、2006年発行)
  • 関幸彦編『武蔵武士団』(吉川弘文館、2014年発行)

関連項目

外部リンク


横山党

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/04/16 00:48 UTC 版)

武蔵七党」の記事における「横山党」の解説

詳細は「横山党」を参照 武蔵国多摩郡横山庄(現在の東京都八王子市付近に当たる)を中心に大里郡(現埼玉県北部熊谷市深谷市その周辺地域)および比企郡から橘樹郡現在の神奈川県川崎市市域に相当)にかけての武蔵国さらには相模国高座郡神奈川県相模川左岸流域一帯)にまで勢力があった武士団武蔵七党系図筆頭である。(一族横山氏中心に海老名氏愛甲氏大串氏、小俣氏成田氏本間氏など。先祖小野篁。その多く和田合戦滅亡する一部武士存続する本間氏などは佐渡地頭として繁栄した

※この「横山党」の解説は、「武蔵七党」の解説の一部です。
「横山党」を含む「武蔵七党」の記事については、「武蔵七党」の概要を参照ください。

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