構造とゲノム
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「エプスタイン・バール・ウイルス」の記事における「構造とゲノム」の解説
EBウイルス(EBV, Epstein-Barr virus)は直径約122〜180nmであり、約17万2千対の塩基対と約85個の遺伝子をコードする二本鎖DNAで構成されている。 ガンマヘルペスウイルス亜科リンフォクリプトウイルス(Lymphocryptovirus)属に分類されるウイルスで、ヒトヘルペスウイルス4型(HHV-4, Human herpesvirus 4)とも呼ばれるヒトに感染するヘルペスウイルスの一種である。 ウイルスのDNAはタンパク質のヌクレオカプシド(nucleocapsid)に包まれている。このヌクレオカプシドはタンパク質でできたテグメント(tegument)に囲われ、そのテグメントはさらに脂質と宿主の細胞への感染時に必要不可欠な膜糖タンパク質を含むエンベロープ(envelop)で覆われている。
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構造とゲノム
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「ポリオーマウイルス科」の記事における「構造とゲノム」の解説
ポリオーマウイルスは非エンベロープ型二本鎖DNAウイルスであり、約5000塩基対の環状ゲノムを持つ。ゲノムは直径約40–50 nmのカプシドに詰め込まれており、カプシドは二十面体型(T=7)である。カプシドはVP1(英語版)と呼ばれるタンパク質の五量体型カプソメア72個から構成され、自己集合して閉じた二十面体を形成することができる。各VP1五量体は他の2つのカプシドタンパク質VP2またはVP3(英語版)のいずれか1分子と結合している。 典型的なポリオーマウイルスのゲノムは5種類から9種類のタンパク質をコードしており、感染時に転写が行われる時期によってearly region(前期領域)とlate region(後期領域)と呼ばれる2つの転写領域に分けられる。各領域は宿主細胞のRNAポリメラーゼIIによって、複数の遺伝子をコードする一本のpre-mRNAとして転写される。通常、前期領域は選択的スプライシングによって産生されるラージT抗原(英語版)(大型腫瘍抗原)とスモールT抗原(英語版)(小型腫瘍抗原)の2つのタンパク質をコードしている。後期領域には3つのカプシド構造タンパク質VP1、VP2、VP3が含まれ、これらは選択的翻訳開始部位を利用して産生される。一部のウイルスには他の遺伝子や他の多様性が存在する。例えば、齧歯類のポリオーマウイルスにはミドルT抗原(英語版)と呼ばれる3番目のタンパク質が存在し、このタンパク質によって細胞の形質転換が非常に効率的に行われる。SV40にはVP4と呼ばれるカプシドタンパク質も存在し、また一部のウイルスには後期領域から発現するアグノプロテイン(英語版)と呼ばれる調節タンパク質も存在する。また、ゲノムには前期領域や後期領域のプロモーター、転写開始部位、複製起点など、タンパク質をコードしない制御領域も存在する。
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