構造とリガンド
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/04/22 04:22 UTC 版)
WWドメインは最も小さなタンパク質ドメインの1つで、わずか40アミノ酸程度から構成される。WWドメインはプロリンに富む、またはプロリンを含む短いモチーフとの特異的なタンパク質間相互作用を媒介する。その名称は2つの保存されたトリプトファン残基(W)が存在することに由来し、それらは20-22アミノ酸離れて位置する。WWドメインは、曲がった3本のストランドからなるβシートへと折り畳まれる。WWドメインの同定は、YAP1遺伝子産物の2つのスプライスアイソフォームYAP1-1とYAP1-2の分析によって促進された。両者にはYAP1-2に余剰の38アミノ酸が存在するという差異がある。この余剰アミノ酸はスプライシングで選択的に組み込まれるエクソンにコードされており、YAP1-2アイソフォームには2つ目のWWドメインが含まれている。 WWドメインの最初の構造は、NMRによって溶液中で決定された。それはヒトのYAPとPPxY(xは任意のアミノ酸)コンセンサスモチーフを含むペプチドリガンドとの複合体の構造である。近年、YAPのWWドメインとSMAD由来のPPxYモチーフを含むペプチドとの複合体構造がさらにリファインされた。PPxYモチーフのほか、あるWWドメインはLPxYモチーフを認識し、いくつかのWWドメインはリン酸化セリン-プロリンまたはリン酸化スレオニン-プロリンモチーフをリン酸基依存的に認識する。これらWWドメインの複合体構造は、リン酸化によって調節される相互作用の分子的な詳細を確証した。また、アルギニンに隣接する、またはロイシン残基で隔てられたポリプロリン配列と相互作用するWWドメインも存在するが、この配列には芳香族アミノ酸は含まれない。
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