カプシド
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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/25 08:07 UTC 版)
ナビゲーションに移動 検索に移動カプシド(英: capsid)は、ウイルスゲノムを取り囲むタンパク質の殻のことを指し、カプソメアによって構成されている。カプシドの構造はウイルスゲノムとカプシドとの立体配列により、立方対称性、ラセン対称性、非対称性のものがある。カプシドの構成単位であるカプソメアは暗黒期に他のタンパク質とともに合成される。その数はウイルスによって一定である。ウイルスによってはカプシドの外側にエンベロープを持つものもある。カプシドはウイルスゲノムを核酸分解酵素などから保護し、細胞のレセプターへの吸着に関与している。カプシドはウイルスが細胞に侵入後、細胞またはウイルス自身の酵素によって取り除かれる。この過程を脱殻と呼ぶ。ウイルスゲノムとカプシドの複合体をヌクレオカプシド (nucleocapsid) と呼ぶ。
参考文献
- 大里外誉郎 編著 『医科ウイルス学改訂』(第2版)南江堂、2000年。ISBN 4-524-21448-8。
- 獣医学大辞典編集委員会編 『明解獣医学辞典』 チクサン出版、1991年。 ISBN 4-88500-610-4。
関連項目
カプシドタンパク質
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「ポリオーマウイルス科」の記事における「カプシドタンパク質」の解説
ポリオーマウイルスのカプシドは主要な構成要素であるVP1と、1つまたは2つのマイナーな構成要素であるVP2、VP3から構成される。VP1五量体は閉じた十二面体型のウイルスカプシドを形成し、カプシドの内部で各五量体はVP2またはVP3のいずれか1分子と結合している。メルケル細胞ポリオーマウイルスなど一部のウイルスは、VP3がコードされていなかったり発現しなかったりする。カプシドタンパク質はゲノムの後期領域から発現する。
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