概日リズムとの関係
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/25 05:10 UTC 版)
「高エネルギー可視光線」の記事における「概日リズムとの関係」の解説
網膜には、光を感じる視細胞(桿体細胞、錐体細胞)以外に、視神経自体にも光感受性があることが知られている(網膜神経節細胞)。この神経細胞に含まれるメラノプシンという色素はHEVへの感受性があり、この刺激が網膜視床下部路(英: retinohypothalamic tract)を通じて視交叉上核に投射し、概日周期の設定や調整に関与している。このため、HEVが睡眠障害の治療に応用されている。 日中、強い光を浴びるとメラトニンの分泌は減少し、夜、暗くなってくると分泌量が増える。メラトニンが脈拍・体温・血圧などを低下させることで睡眠の準備が出来たと体が認識し、睡眠に向かわせる作用がある。また朝日を浴びて規則正しく生活することで、メラトニンの分泌する時間や量が調整され、人の持つ体内時計の機能、生体リズムが調整される。そのため不規則な生活や昼間、太陽光を浴びないような生活を続けるとメラトニンがうまく分泌されず、不眠症などの睡眠障害の原因となる。 Harvard Health Publishing のある記事では、夜の青色光が体内時計を狂わせて数種類のがんや糖尿病、心臓病、肥満などさまざまな生活習慣病の発症リスクが高くなる可能性があることを紹介し、対策として以下の項目を挙げている。 夜に赤い光を使うこと。 寝る前3時間以内の明るい画面は使わないこと。 夜に青色光を浴びるとき、ブルーライトカットメガネやブルーライト軽減フィルターアプリを使うこと。 注意力、反射神経、精神の安定、睡眠の改善など脳の様々な機能の向上に有効とされているため、青色光は昼にちゃんと浴びること。 包括的な観点からは2017年のシステマティックレビューでは、光による覚醒度に対する影響についての研究は、その時点では光量や研究規模の小ささにより結論を導けるものではないとしている。。
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