梨の形をした3つの小品とは? わかりやすく解説

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なしのかたちをしたみっつのしょうひん〔なしのかたちをしたみっつのセウヒン〕【梨の形をした三つの小品】

読み方:なしのかたちをしたみっつのしょうひん

原題、(フランス)3 Morceaux en forme de poireサティ四手連弾によるピアノ曲1903年作曲。曲の前後に2曲ずつ加わるため、全7曲で構成されるドビュッシー忠告対する皮肉を込めた作品とされる


サティ:梨の形をした3つの小品

英語表記/番号出版情報
サティ:梨の形をした3つの小品3 Morceaux en forme de poire作曲年1903年 

作品概要

楽章・曲名 演奏時間 譜例
1 開始のひとつのやり方 "Maniere de commencement"3分30秒 No Image
2 その延長 "Prolongation du meme"1分00 No Image
3 小品I  "Morceau I"1分30秒 No Image
4 小品II  "Morceau II"3分00 No Image
5 小品III "Morceau III"2分30秒 No Image
6 おまけにもうひとつ "En plus"2分00 No Image
7 言い直し "Redite"1分30秒 No Image

作品解説

2007年11月 執筆者: 樋口 愛

サティ37歳時の作品四手連弾ピアノ曲である。三つ小曲とあるが、実際に七つからできている。三つ小品中心におかれ、その前後に「始め方、おなじもものの延長付け加えて言い直し」と題付けされた四つの小曲つけられ構成されている。
この曲にはユニークなエピソードがあり、当時ドビュッシーに「形式こだわった作品を」と忠告を受け、この《梨の形をした三つの小品》を書いたのだが、この“西洋梨)にはもうひとつ隠された「まぬけ、うすのろ」といった意味をもっていた。サティは、こういう形でドビュッシー忠告に対して、裏に皮肉な意味を持って応じたようだ。他のサティ作品とは異なる点として、調性があり、拍子があり、確かに形式にもこだわった作品となっているようだ
まず第一曲《始め方》は、4分の4拍子書かれ終止線もある。セカンドは、伴奏形でプリマが単旋律的なメロディー最後まで変化なく続けていく。右のモティーフをみると、同じ三小節単位のモテイーフが繰り返されていることがわかる。
第2曲《同じものの延長》は、4分の2拍子のd moll書かれているセカンドプリマが追う、メランコリー書法使われている。
小品Ⅰ》《小品》《小品》はの形の三つ小品にあたるものである
小品Ⅰ》は、4分の2拍子、c moll緩やかな曲想である。プリマをみると、いくつかの種類モティーフ繰り返されている。。
小品》は、4分の2拍子、C durで、快活な舞曲であるが中間部はなだらかなゆったりとした曲想で再び最初舞曲戻っている。
小品》は、4分の4拍子のAs dur荒々しい曲想である。明確なリズム書かれている
《つけ加えて》は、果肉三つ小品)を覆う皮であるかのようなシンプルで薄い特に変化のない流れでできている。プリマは単旋律的である。
言い直し》は、4分の3拍子、B dur書かれたゆったりとした優雅な旋律流れ舞曲全曲をしめている。


梨の形をした3つの小品

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/04 23:32 UTC 版)

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梨の形をした3つの小品』(なしのかたちをしたみっつのしょうひん、Trois morceaux en forme de poire)は、1903年にフランスの作曲家エリック・サティによって作曲された4手連弾のためのピアノ曲。「3つの小品」とあるが、実際には7つの小曲からできている。

概要

当時、サティはクロード・ドビュッシーに「形式的な作品を作ってみては」と忠告され、調性、拍子、形式を明確にした曲を作曲することになる。

結果、この「梨の形をした3つの小品」が完成することになったが、フランス語の「梨(西洋梨)」という単語にはもう一つ「まぬけ」や「うすのろ」といった意味があり、形式に対する、サティらしい皮肉となっている。

曲の構成

  • 第1曲 始め方
    4分の4拍子。
    終止線もある。3小節単位の動機が終止線まで繰り返される。
    なお、この第1曲は元々は1891年劇付随音楽星たちの息子」の曲として作曲され、その後1897年頃に「グノシエンヌ」と改題された後、さらに本作品へ流用された経緯がある。
  • 第2曲 同じものの延長
    4分の2拍子、ニ短調
    セカンドをプリマが追う、メランコリーの書法によって作曲されている。
  • 第3曲 小品Ⅰ
    4分の2拍子、ハ短調
    ここからの小品が「梨の形をした3つの小品」にあたる部分。曲想は緩やか。プリマでいくつかの動機が繰り返される。
  • 第4曲 小品Ⅱ
    4分の2拍子 - 4分の4拍子、ハ長調 - ト長調 - 変イ長調
    快活な舞曲。中間部は変イ長調で4分の4拍子となり、なだらかとした曲想。その後、再び最初の舞曲に戻っていく。
  • 第5曲 小品Ⅲ
    4分の4拍子。
    激しい曲想。明確なリズムが特徴的。
  • 第6曲 つけ加えて
    4分の4拍子。
    全体的に変化のない作り。プリマは単旋律的に演奏される。
  • 第7曲 言い直し
    4分の3拍子、変ロ長調
    緩やかで優雅な旋律の舞曲で締めくくる。

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