核磁気共鳴分光法
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/12 07:30 UTC 版)
核磁気共鳴は発見当初は原子核の内部構造を研究するための実験的手段と考えられていた。しかし、後に原子核のラーモア周波数がその原子の化学結合状態などによってわずかながらも変化すること(化学シフト)が発見された。これにより核磁気共鳴を物質の分析、同定の手段として用いることが考案された。このように核磁気共鳴によるスペクトルを得る分光法を核磁気共鳴分光法と呼ぶ。核磁気共鳴分光法のことも単にNMRと略称する。
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核磁気共鳴分光法
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詳細は「核磁気共鳴分光法」を参照 核磁気共鳴分光法では、被観測原子のラーモア周波数が同位体種と外部静磁場の強さでほぼ決まるが、同一同位体種の原子核でも試料中での各原子の磁気的環境によってわずかに異なり、そこから分子構造などについての情報が得られる。ひとつのNMRスペクトルで観測される周波数範囲は比較的狭く、一種類の同位体原子だけの試料中での状態を反映したものになる。つまりNMRは同位体種に選択的な測定法である。 分光法なので得られるデータは横軸が周波数で縦軸が強度のスペクトルとなる。しかし、ある原子の共鳴周波数は外部静磁場の強さに比例して変わり、その被観測原子固有の性質とはならない。だが、 (被観測原子のラーモア周波数−基準周波数)/(磁気回転比×外部静磁場強度) で定義される化学シフトは被観測原子固有の値となるので、NMRスペクトルの横軸は化学シフトで表すのが一般的である。共鳴位置に現れるピークのことを単にピーク (peak) またはシグナル、信号 (signal) と呼ぶ。 主に対象となる原子は水素または炭素(天然に豊富に存在するがNMR不活性な12Cではなく核スピンを有する同位体13Cを測定する)であり、これらについては膨大な資料が存在する。水素原子を対象とするものを1H NMR(プロトンNMR)、炭素原子を対象とするものを13C NMRと呼ぶ。他にそれ以外の元素についても核スピンを持ちさえすれば原理的には測定可能であり、現代の有機化学では最も多用される分析手法の一つである。有機化合物の同定や構造決定に極めて有用である。また、単結晶X線回折と並んで構造生物学のための強力な武器である。測定する核種の磁気回転比や天然存在比、電気四極子モーメント等の違いで感度や線幅が異なる。
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