核磁気モーメントとは? わかりやすく解説

Weblio 辞書 > 辞書・百科事典 > 百科事典 > 核磁気モーメントの意味・解説 

核磁気モーメント

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2019/07/22 04:04 UTC 版)

ナビゲーションに移動 検索に移動

核磁気モーメント(かくじきモーメント、: Nuclear magnetic moment)は、原子核磁気モーメントであり、陽子および中性子スピンから生じる。主に磁気双極子モーメントであり、四極子モーメントは超微細構造において同様に小さなシフトを起こす。

核磁気モーメントは元素同位体によって異なる。陽子と中性子の数が共に偶数の場合にのみ核磁気モーメントはゼロとなる。

殻模型

殻模型によれば、陽子あるいは中性子は逆の全角運動量の対を形成する。ゆえに、陽子および中性子の数が共に偶数である核の磁気モーメントはゼロであるが、奇数の陽子と偶数の中性子(あるいはその逆)を持つ核の磁気モーメントは残った不対陽子(あるいは中性子)の磁気モーメントとなる。陽子と中性子がどちらも奇数である核は、全磁気モーメントは残った不対陽子と不対中性子の磁気モーメントの組み合わせとなる。

核磁気モーメントは、殻模型の単純な型では部分的にしか予測できない。磁気モーメントは、残った核子のjlsによって計算されるが、核は明確に定義されたlおよびsの状態にはない。さらに、重水素のように陽子と中性子が共に奇数の核については、2つの「残った」核子を考慮しなければならない。ゆえに、核磁気モーメントには複数の可能な解(それぞれの可能なlおよびs状態の組み合わせ)が存在し、核の実際の状態はそれらの重ね合わせである。ゆえに、実際の(観測される)核磁気モーメントは可能な解の間のどこかにある。

g因子

g(l)およびg(s)の値は核子のg因子として知られている。

中性子陽子のg(l)の観測値はそれらの電荷と比例している。ゆえに、核磁子単位で、中性子のg(l) = 0、陽子のg(l) = 1である。

中性子陽子のg(s)の観測値は、それらの磁気モーメント(中性子磁気モーメントあるいは陽子磁気モーメント)の2倍である。核磁子単位で、中性子のg(s) = −3.8263、陽子のg(s) = 5.5858である。

磁気モーメントの計算

殻模型では、全角運動量j軌道角運動量lスピンsの核子の磁気モーメントは以下の式で与えられる。

Nuclear Structure and Decay Data - IAEA with query on Magnetic Moments
  • magneticmoments.info/wp A blog with all recent publications on electromagnetic moments in nuclei



  • 英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
    英語⇒日本語日本語⇒英語
      

    辞書ショートカット

    すべての辞書の索引

    「核磁気モーメント」の関連用語

    核磁気モーメントのお隣キーワード
    検索ランキング

       

    英語⇒日本語
    日本語⇒英語
       



    核磁気モーメントのページの著作権
    Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

       
    ウィキペディアウィキペディア
    All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
    この記事は、ウィキペディアの核磁気モーメント (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。

    ©2025 GRAS Group, Inc.RSS