染付山水図大鉢〈伊万里/〉
主名称: | 染付山水図大鉢〈伊万里/〉 |
指定番号: | 2527 |
枝番: | 00 |
指定年月日: | 1989.06.12(平成1.06.12) |
国宝重文区分: | 重要文化財 |
部門・種別: | 工芸品 |
ト書: | |
員数: | 1口 |
時代区分: | 江戸 |
年代: | |
検索年代: | |
解説文: | わが国では江戸時代に入り、九州の肥前有田地方で初めて染付磁器が生産されるようになった。有田で初期の染付磁器を焼成した窯としては、有田町の天神森【てんじんもり】窯、黒牟田地区の山辺田【やんべた】窯、山内町の百間【ひやつけん】窯などその他にもたくさんの窯のあったことが知られている。有田で焼成された磁器は、その北方約一二キロにある伊万里港から全国にむけて積み出されたので、その名を冠して「伊万里焼」と呼ばれた。すでに寛永のころには有田の磁器が伊万里焼として全国に知られており、創始当初から当時輸入されていた中国の景徳鎮【けいとくちん】の染付磁器の影響を受け、中国的な作風の染付を展開していった。 この作品は中国の古染付を写しながらも、草創期らしい、おおらかで雄渾な作行きをみせる初期伊万里の代表的な染付大鉢である。口縁を鐔状にとって、見込み広く、高台を小さく削り出した器形は、唐津焼の大鉢とも共通する初期伊万里の大鉢の通例を示し、その成形は総体に肉厚で重々しい。畳付きを除いた全面には初期伊万里特有の青味をおびた透明釉がかかるが、この作品では特に釉の磁化がすすみ、染付の発色も秀抜で濃藍色に呈発している。見込みには、遠景に雲のかかる遠山を重ね、その手前に湖面を行く二艘の帆掛舟を配して、近景には左右から迫る峻険とした湖岸の景をあらわす。図は闊達な筆致で絵付けされ、溌剌とした気風に満ちている。 なお、鐔状の縁にあらわされた点斑文は、山辺田第三号窯・第七号窯から出土した陶片にみられる特徴的な文様であることから、この大鉢も山辺田窯の製と比定される。 |
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