本宮以外の社殿
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/11 04:28 UTC 版)
北高蔵(左)・南高蔵(右)(いずれも重要文化財) 第一本宮の裏手(東側)には、高蔵(たかくら)2棟が南北に並んで建てられており、それぞれ北高蔵・南高蔵と称される。いずれも桃山時代の慶長12年(1607年)の造営で、大阪府内にある指定文化財の蔵のうちでは最古になる。形式は桁行三間・梁間二間(北:5.40メートル×4.81メートル、南:4.85メートル×4.24メートル)、板校倉造の高床式倉庫で、上部は寄棟造、屋根は本瓦葺。釘を1本も使用せずに建てられており、「釘無宝庫(くぎなしほうこ)」とも称される。「津守家盛記」では高蔵4棟の造営と見えるが、他の2棟は非現存で、現在の2棟も昭和45年(1970年)の境内地内移築ののち現在地に定まった。かつては内部に神宝が収められたが、神宝は住吉文華館に移され、現在は祭具収蔵庫として使用されている。北高蔵・南高蔵の2棟は国の重要文化財に指定されている。 境内南側にあって境内を画する南門、およびその両側の楽所(がくしょ、東楽所・西楽所)は、江戸時代初期の慶長12年(1607年)の豊臣秀頼の再興による造営。いずれも南面し、南門は四脚門、切妻造で、屋根は本瓦葺。太い木割や絵様には桃山時代の特色が見られる。東楽所は桁行十一間、梁間二間、東面は入母屋造、西面は切妻造で、屋根は本瓦葺。西楽所は桁行五間、梁間二間、西面は入母屋造、東面は切妻造で、屋根は本瓦葺。南門・東西楽所の3棟は国の重要文化財に指定されている。 そのほか、境内南寄りにある神館は大正4年(1915年)に大正天皇の即位記念として建てられたものである。本宮北方の旧神宮寺跡地にある住吉文華館(昭和52年(1977年)竣工)には、神宝が収蔵されている。また住吉文華館の東側には、御文庫(おぶんこ、住吉御文庫)と称される漆喰塗の建物がある。享保8年(1723年)に書籍商の発願によって建てられたもので、以来約5万冊に及ぶ写本・版本が奉納されており、「大阪最古の図書館」とも称される。 西楽所(重要文化財) 東楽所(重要文化財) 神館 住吉御文庫 神楽殿 吉祥殿 祈祷殿 社務所
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