月の都へとは? わかりやすく解説

月の都へ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/14 07:38 UTC 版)

竹取物語」の記事における「月の都へ」の解説

帝と和歌遣り取りするようになって三年月日経った頃、かぐや姫は月を見て物思いに耽るようになった八月満月近づくにつれ、かぐや姫激しく泣くようになり、翁が問うと「自分はこの国の人ではなく月の都の人であって十五日に帰らねばならないほんの少しの間ということあの国からやって来たが、この様にこの国で長い年月経てしまった。それでも自分心のままにならず、お暇申し上げる」という。 それを帝が知り、翁の意を受けて、勇ましい軍勢を送ることとなった。その十五日には、各役所命じ勅使として中将高野大国指名し六衛府合せて二千人を竹取の家に派遣する。家に行って築地の上千人建物の上千人、家の使用人がとても多かったのと合わせて空いている隙もなく守らせた。嫗は、塗籠の内でかぐや姫抱きかかえている。翁も、塗籠の戸に錠を下ろして戸口にいる。 かぐや姫は「私を閉じ込めて守り戦う準備をしていても、あの国の人に対して戦うことはできないのです。弓矢射ることもできないでしょうこのように閉じ込めていても、あの国の人が来たら、みな開いてしまうでしょう戦い合おうとしても、あの国の人が来たら、勇猛な心を奮う人も、まさかいないでしょう」という。 翁は迎えを、長い爪で眼を掴み潰そう、髪の毛取って引き落とし、尻を引き出して役人たちに見せて恥をかかせてやろうと腹を立てている。かぐや姫は「大声おっしゃいますな。屋根の上にいる者ども聞くと、大層よろしくないお爺さまお婆さまこれまでの愛情わきまえもしないお別れようとすることが、残念でございます両親対すお世話を、僅かも致さずに、帰っていく道中安らかになりますまい。あの都の人は、とても清らか美しく老いるともないのです。もの思いもありません。そのような所へ行くことも、嬉しいとも存じません」と言った。 そして子の刻真夜中頃)、家の周りが昼の明るさよりも光った大空から人が雲に乗って降りて来て地面から五尺(約1.5メートル)くらい上った所に立ち並んでいる。内外人々の心は、得体が知れない存在襲われるようで、戦い合おうという気もなかった。何とか心を奮って弓矢構えようとしても、手に力も無くなって萎えてしまった。気丈な者が堪えて射ようとしたが矢はあらぬ方飛んでいき、ただ茫然とお互い見つめ合っている。王と思われる人が「造麻呂出て参れと言うと猛々しかった造麻呂も、何か酔ったような心地になってうつ伏せにひれ伏している。 王は「お前、幼き者よ。少しばかり翁が善行作ったから助けにと、僅かばかりの間ということで姫を下したところ、長い年月の間に多く黄金を賜って、お前は生まれ変わったように金持ちになったのだ。かぐや姫は罪を御作りになったので、このように賤しいお前の元にしばらくいらっしゃったのだ。罪の期限過ぎた早くお出し申しあげよ」と翁に言うが、翁は従わない屋根の上に飛ぶ車を近づけて「さあ、かぐや姫穢れた所(地上)にどうして長く居られるのでしょうか」と言うと締め切っていた戸や格子即座に開いていく。嫗が抱きかかえて座っていたかぐや姫は、外に出てしまう。 かぐや姫は、せめて天に上っていくのだけでもお見送りくださいと言うが翁は泣き伏してしまう。「御心乱れてしまっている」と見かねたかぐや姫は「この先恋し折々に、取り出してご覧ください」と手紙書き置いた天人の中の者に持たせた箱があり、それには天の羽衣が、また別の箱には不死入っている。一人天人が姫に「穢い所の物召し上がっていたのでご気分が悪いことでしょうと言い持って寄ったのでかぐや姫僅かに嘗め天の羽衣着せようとしていた天人制し、帝への手紙と歌を書いた。その歌には、 いまはとて 天の羽衣 着る時ぞ 君をあはれと おもひいでぬる と詠んだその手紙に、添えて頭中将へ渡させた。中将受け取ると天人がさっと天の羽衣着せたので、かぐや姫これまで翁を痛ましい愛しい思っていたことも消えてしまった。この羽衣着た人は物思いなくなってしまうのだったから、かぐや姫は車に乗って昇ってしまった。

※この「月の都へ」の解説は、「竹取物語」の解説の一部です。
「月の都へ」を含む「竹取物語」の記事については、「竹取物語」の概要を参照ください。

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