更新・廃車
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/07/15 02:06 UTC 版)
「山陽電気鉄道700形電車」の記事における「更新・廃車」の解説
700形は、2000系の営業運転開始後も兵庫 - 姫路間の急行や網干線の普通列車を中心に運用を続けた。兵庫 - 西代間の併用軌道区間では、道路の中央を低速で走る大きな700形は人目を引き、当時の鉄道愛好家の間でも路面を走行する63系電車という珍しい事例として関心を向けられた。また、須磨 - 明石間や兵庫駅近辺では、京阪神緩行線の72系と併走する光景が日常的に見られた。色違いの同型車が併走していても、700形のほうが京阪神緩行線の72系新造車グループより座席が改良され、窓も2段化されているなど、原設計は同じながらも内外装ともにリニューアルされ、本家よりも見栄え・居住性とも優れた車両になっていた。 1951年に発生した西代車庫の火災で712-713の2両を焼失したが、この2両の台車や電装品は再用され、1957年に2000系2次車と同系の車体を新造してこれに取り付け、2700系となった。 1964年には702-709の2両に対して車体更新が実施され、全金属製の車体となり、神戸高速鉄道への乗り入れも可能となった。前面には貫通扉が設けられて前照灯はその上方に埋め込まれ、通風器は箱型となり702のパンタグラフは連結面側に移設されたが、切妻の車体形状や側面窓割には原形のイメージを強く残しており、側面にはウィンドウ・シル/ヘッダーも設けられていた。 未更新の700形は、地下線乗入れ車両の構造様式に適合せず、1968年に予定されていた神戸高速鉄道への乗入れ・兵庫 - 西代間廃止以後の運用に支障するため対策が講じられることとなったが、702-709の形での更新はこの1本のみで終わり、他は2000系3扉ロングシート車(5次車以降)と同系の車体を新造してこれに台車や主要機器を転用することとなった。この方法による車体新造車は2700系に編入されることとなり、10両がこの対象となって1964年-1968年に更新が行われた。 2700系に更新されなかった700形は、702-709を除き1969年までに廃車された。702-709も2両編成1本のみで運用上中途半端な存在となり、1977年に廃車された。廃車後、702-709を含む一部の車両の廃車体が西代車庫や東二見車庫で倉庫として利用されていたが、後に全て解体されている。
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