旧線の現況
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/20 08:17 UTC 版)
「旧北陸線トンネル群」も参照 旧線跡地は1963年11月4日に道路に転用された。旧線跡は、敦賀市街から葉原までが国道476号、葉原から杉津までが敦賀市道、杉津から今庄までが福井県道207号今庄杉津線となった。杉津駅南方の河野谷トンネルは解体された。また、杉津駅より山中トンネルまでは、山の中腹をトンネルと鉄橋でつないでいたが、公道化された。旧線鉄橋跡は深山、大桐付近も含め、いずれも鉄橋の上にアスファルト道路を載せている。 北陸本線下り線敦賀方新旧分岐点附近は記念碑が置かれた。 深山信号場附近は2車線道路に拡幅されて痕跡をとどめない。 樫曲トンネルおよび獺河内トンネルは北向き一方通行の一般道として供用されていたが、木ノ芽峠トンネル開通に併せた道路整備に際し、2002年に樫曲トンネルはレトロ調の街灯が設置されるなど車両通行禁止の歩道として整備され、獺河内トンネルは拡幅を経て2車線一般道のトンネルとなった。 獺河内地区の旧新保駅の下にあった木の芽川にかかる鉄橋梁は同じく2002年、木ノ芽峠トンネル開通に併せた道路整備により消滅した。 国道476号から葉原大カーブへ分岐する地点は神社内敷地を横断しており、廃線後も公道として供用されていたが、2007年の道路改修に際して元の神社に返され通行不可能となったため、新たに北側に国道に迂回連絡する車道築堤が造られた。旧道分岐地点近くの鉄橋はひきつづき道路橋として供用中である。 葉原大カーブ - 葉原トンネル南ポータルまでの直線区間は、3線をなす葉原信号場スイッチバック跡である。本線跡の道路の両側、すなわち山側の北陸道下り線築堤及び海側空き地が引き込み線であった。引き込み線築堤が一部北陸道の土台に流用されている。 杉津駅の跡地には北陸道上り線の杉津PAが設置された。本線の山側に旧線から転用された道路を見ることができる。なお、杉津駅あたりの旧線跡は必ずしも北陸自動車道とは一致しない。旧線は山の斜面に沿ってなだらかなS字カーブを描くが、北陸道は盛り土をして一直線に敷かれた。 山中トンネルは旧線区間のなかで最長のトンネルであるが、交互通行用の信号機が設置されていない。 町村合併により南越前町が発足してから山中信号場跡に記念碑が建てられた。「上り方引き込み線が上方の林道にあった」と説明文には書かれているが、実際には上下引き込み線は並んでいた。 大桐駅跡には上り線ホーム跡が残存し看板が建てられた。 福井県道207号今庄杉津線T字交差点(北陸本線踏切付近)から今庄方新旧分岐点までは私有地となり通行できない。 1996年2月に発生した国道229号豊浜トンネル岩盤崩落事故に伴い、葉原トンネル(事業主体:敦賀市)が1997年12月までの1年10か月間、山中トンネル(事業主体:福井県)が1998年4月までの2年2か月間通行止めになり、補強工事が施工された。歴史的に価値がある建造物であることから、当時の外観を極力損なわないように配慮した工事を行った。
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