旧来の慣用的分類
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/04 07:50 UTC 版)
主に西洋音楽の分野で歴史的に用いられている分類。奏法を感覚的に把握する上であるていど役立つ実用性をもつ反面、明確な分類基準に基づくものではないので、楽器を体系的に分類するには適していない。 管楽器 - 一般的には「管」の内部の空気を振動させて音を出す楽器であるが、オカリナのように「管状」でないものも含まれるから、訳語としては「吹奏楽器」の方が適切である。後述のHS分類では気鳴楽器となる。管状の楽器では、音高は筒の長さや形状によって決まり、音色は楽器の作りによってかなり異なったものとなる。金管楽器 - 唇の振動によって管の内部の空気を振動させる楽器。唇簧管楽器。広義のラッパ。音高を変えるために、バルブなどによって管の長さを変える仕組みを持つものが多い。「金属」で作られているかどうかは無関係である。 木管楽器 - 金管楽器以外の管楽器すべて。唇の振動によらないもの。広義の笛。無簧(エアリード)、単簧(シングルリード)、複簧(ダブルリード)に分けられる。一般に音高を変える側孔(音孔)を持つ。「木」で作られているかどうかは無関係である。 弦楽器 - 張力を持たせて張った弦を弾く、擦る、叩くなどして音を出す楽器。音高は弦の長さや張力、単位長さ当たりの質量によって決まり、弦の材質、共鳴胴の形状、材質などによって様々な音色のものがある。HS分類では弦鳴楽器となる。 打楽器 - 楽器を手やばちで打ったり楽器同士を打ち合わせることによって音を出すものが多いが、振ったり擦ったりして出す楽器もある。様々な材料と形のものがあり、音や奏法も様々である。HS分類では体鳴楽器または膜鳴楽器となる。 鍵盤楽器 - 指や足で演奏するための鍵盤を有するもの。HS分類では発音原理次第で、体鳴楽器、弦鳴楽器、気鳴楽器、電鳴楽器のいずれかに該当することになる。 電気楽器 - 何らかの手段で作り出した物理的振動を、電気的、電子的に増幅処理して、最終的に電磁気力によって音を出す楽器。振動源だけに着目すれば、HS分類の体鳴楽器、膜鳴楽器、気鳴楽器、弦鳴楽器のいずれかに属するわけであるが、いずれであってもHS分類では電鳴楽器として分類される。 電子楽器 - 振動自体を電子的手段で作成し、最終的に電磁気力によって音を出す楽器。HS分類では電鳴楽器となる。 声 - 人間の声は一種の楽器として取り扱われることもあり、その場合は声帯が振動源、口腔が共鳴部ということになるが、一般的には「声楽」は「器楽」の対語であり、声は楽器とみなさない。HS分類でも楽器に含めない。
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